聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

新型コロナウイルス ドイツの罹患状況

世界の医療大国ドイツに毎日注目しています。

ドイツの新コロナウィルスによる死者が同じ欧州の罹患者の急増している国と比較して、死者が非常に少ないというNHKなどの報道や対応を称賛する人々が知識人や報道関係者に多いからです。

しかし、罹患者の急増は、結局は長期になれば死者数も急増すると思われます。

 

ドイツは、日本と同様に国民皆保険です。ドイツで住むからには、外国人であれ、失業者であれ、留学生であれ、全員、医療保険に入らなければならない。国民の9割が、「法定強制保険」に加盟しています。それ以外に、「プライベート保険」なるものがあります。

 

日本と同様にと書きましたが、日本の医療保険制度は、実はドイツを手本としていますので、制度が似ているのも当然です。

 

「法定強制保険」は収入に応じて支払い、年齢や、健康状態、家族人数には左右されません。日本との大きな差は、これらの保険は民間の保険会社が提供するものす。サービスに多少の違いはありますが、何しろ法定の保険なので大差はありません。

 

「プライベート保険」も民間保険会社のものですが、収入が一定以上なければなりません。日本円で月収65万円程度の収入が必要になります。

 

比較してみましょう。(人口千人当たり)出典:ニッセイ基礎研究所

     医師数 看護師数 病院数 病床数 CT数   MR数

ドイツ   4.1  13.0  39.5  8.3   101.3   46.9

日本    2.3  10.5  67.1  13.3   数字なし 数字なし

医師数の割合は、人口千人当たりで日本の二倍弱になります。充実しているとも言えます。看護師数も日本より多いものの、それ以外は日本が圧倒しています。CT数やMR数は世界の中でも日本が抜群の充実度です。

 

これ以外に日本とドイツの差が明瞭なのは、入院患者の入院日数です。

日本が平均30日に対しドイツは10日程度です。ドイツだけでなく、欧米の主要国は殆どがドイツ並みです。日本だけが突出して入院日数が多くなっています。「外来手術患者の早期回復を促すための取り組みの導入により、手術後の在院日数の短縮が図られている。在院日数の長さは、医療費の多寡に直結するため、その短縮に向けた検討や、取り組みが各国で進められている(ニッセイ基礎研究所

 

こうしたことから、日本とドイツのこの度の新コロナウィルスに対応の仕方に注目しています。10-12日程前に、ドイツの罹患者が急増して、一時少し減少したことがありました。その時ドイツの保健省のトップが「罹患者は減少傾向」と発言しました。

 

しかし、その後再び増加をはじめ現状では、一日の罹患者が4,400人にも上っていますし、増加に歯止めがかかっていません。恐らく、ウィルスの威力を軽く見ていたのだと思います。この時から私は、ドイツに注目し始めました。

 

しかし、死亡者に関しては、欧米の主要国の中では抜群の少なさです。といっても現状で3桁ですが。恐らく毎日4,000人もの罹患者が出てしまうと、軽症者の治療を優先するしかありません。従って、今後新規の感染者の増加に歯止めがきかなければ、ドイツの死亡者は急増すると思われます。

 

とはいえ、日本も相当危うくなってきました。ドイツのようにならないためにも、此処は臨機応変に対応してもらいたいものです。

① 外国からの入国者の遮断

② 外国からの帰国者の2週間隔離

③ 在日外国人の健康状態の把握(罹患者の4割にのぼる)

④ 東京や大阪の歓楽街の閉鎖

などは、一刻も早く行ってもらいたいものです。

 

下表は2020/03/31 00:02現在の世界の新型コロナウィルスの罹患状況。

https://www.worldometers.info/coronavirus/