新型ウイルスで4人目の死者 中国
【1月21日 AFP】中国当局は21日、国内全土に拡大している新型コロナウイルスへの感染で4人目の死者が出たことを発表した。
地元保健委員会によると、死亡したのは89歳の男性で、武漢(Wuhan)市で呼吸困難の症状を訴え、19日に死亡した。武漢は新型コロナウイルスの流行の中心地で、現地の保健当局によると現在までに200人以上が感染している。(c)AFP
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AFP通信の2020年1月18日のこの記事でも分かるように、きわめてそっけない報道です。それから、二日後の記事では次のようになっています。
中国の新型ウイルスで3人目の死者、 韓国でも感染確認
【1月20日 AFP】(更新)中国中部・武漢(Wuhan)市の保健当局は20日、新型コロナウイルスで3人目の死者が出たほか、新たに136人の感染者を確認したと発表した。また同日韓国でも、中国以外ではアジアで3か国目となる感染例が報告された。
武漢は交通の要衝。新型ウイルスは2002~03年に650人近くが犠牲となった重症急性呼吸器症候群(SARS)ウイルスと症状が似ており、数億人が帰省などで移動する春節(旧正月、Lunar New Year)を目前に控え、関係者は警戒感を強めている。
ヒト間での感染はこれまで確認されていないが、当局はその可能性も「排除できない」としている。
武漢市の保健当局は、3人目の死者が出たことを明らかにするとともに、市内で18、19日の週末に新たに136人の感染者が確認されたと発表した。
また、北京市大興(Daxing)区の保健委員会は、武漢を訪れた2人が新型ウイルスに関連した肺炎で治療を受けていることを明らかにした。いずれも容体は安定しているという。
広東(Guangdong)省の保健当局も、深セン(Shenzhen)市出身の男性(66)が武漢の親戚を訪問した後、発熱などの症状を発し、1月11日に隔離措置を受けていたことを公表した。
韓国では20日、同国初の症例が報告された。武漢から空路で韓国入りした35歳の女性とされる。これに先立ち、タイと日本でも計3人の感染例が確認されており、いずれの患者も武漢を訪問していた。(c)AFP/Laurent THOMET
(引用ここまで。全文を引用、引用サイトは下記へどうぞ)
https://www.afpbb.com/articles/-/3264277?cx_part=related_yahoo
2日経って、AFPの報道もやや詳細になってはいますが、それでもAFPのあるフランスから見れば、遥かに遠いアジアの一部に起きた出来事に過ぎないという認識があったと思います。
■ 黄色人種だけを感染させる「新型コロナウィルス」
2020年1月下旬に差し掛かったころに、まことしやかに広まった言葉です。当時、中国の武漢で新型コロナウィルスの罹患者が数百人でて、大騒ぎとなっていました。
では、黄色人種だけを感染させる「新型コロナウィルス」だったのか?
中国メディアは、新型コロナウィルスの遺伝子の8割はSARSウイルスと同じであるとしていました。
SARSウイルスのDNAに多く含まれていた成分は、イネ科の植物などのウイルスに近く、風邪(インフルエンザ)のように簡単に多くの人に感染し、人を殺し、さらに人種を選びながら作用するというのです。
つまり、稲からコメを主食にする中国人や韓国人、タイ人、日本人など「黄色人種だけに感染させるウイルス」としたのが根拠の様です。
■ 欧米の油断
欧米は、このウィルスを甘く見ていました。しかし、それを責めることは出来ません。人類に初めてのウィルスであっても、「黄色人種だけを感染させる」ウィルスとの根拠のない噂や遠い地球の反対側の出来事であれば、離れたどの国においても同じであったでしょう。人間にそれ程の差はありませんから。
そして、実は現在の社会がグローバル化した社会であることを考えてみれば、それは欧米にとって実は、杞憂としてはならない事柄だったのです。
グローバル化した社会では、人や金、モノなどが国境を越えて自由に行き来します。新コロナウィスルを中国人が欧米に運んでいたとしても、少しも不自然ではありませんでした。特に、イタリアやドイツ、アメリカなどの欧米は経済的に中国と深いつながりがある国です。
当初は、在留中の中国人が「コロナ、コロナ」と欧米の街中で侮蔑の声をかかられることが、この頃にはありました。日本人も巻き添えになったりもしました。しかし、それでも、欧米ではまだ、自分たちに新コロナウィルスに感染するとは、思いもしなかったのでしょう。
新型コロナウィルスの感染の初期症状は風邪やインフルエンザに似ていたことも不運でした。すでに欧米では、新コロナウィルスに多くの人が罹患し始めていたと思われます。しかし、インフルエンザとして処理されていた可能性が非常に高かったのではないでしょうか。
アメリカでも、年間に1万人以上の人がインフルエンザで死亡するという統計が出ていていたのも、油断する原因になっていたと思います。
NYで初の感染者確認、米国内の死者2人に 新型コロナウイルス
東アジアで大騒ぎしている間に、欧米には瞬く間に新コロナウィルスの感染が広範囲に広がっていたのです。そして、それに気づいた時、もはや手遅れでした。油断していたチャンピオンボクサーがいきなり強烈なボディーブローを食って倒れたようなものです。防御の間もない出来事でした。
その結果が、今日の大量の罹患者と死者の山です。毎日、千を越す人が死ぬようなアメリカでは、死体の処理に困り一カ所に山積みなどと報じられていたりもします。
当初、日本のダイヤモンドプリンセス号の対応や日本国内の感染者の取り扱いに冷ややかな反応を見せ、時には辛辣な批判も浴びせていた欧米のメディアは、皮肉にも実は我が身に戻ってくるブーメランとなってしまったのです。
ここから、油断して倒れたチャンピオンボクサーであるアメリカが、いち早く立ち直ってくれることを、そして、何より我らが日本が立ち直ってくれることを期待せずにはいられませんね。