聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

欧州における中国

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画像出典:川口マーン恵美さんのブログ

 

コロナ危機のEUに「救世主ヅラ」で忍び寄る中国・習近平の狙い共存共栄など絶対にあり得ない

 

胡散臭い「救世主」

現在、よりによって新型コロナウイルス発祥国の国家主席である習近平氏が、寛大で理想的な「救世主」という役を世界のあちこちで演じている。まさか皆、その胡散臭さに気づいていないはずはなかろうが、気づかないふりをしている政治家はたくさんいる。

イタリアのディマイオ外相は自身のフェイスブックのビデオで、空港に到着した中国からの医療物資に感動している自分の姿を流したし、セルビアのヴチッチ大統領は、「我々を助けてくれるのは中国だけ」と公言した。

 

EUに走る亀裂

EUに頭にきている国はセルビアだけではない。EU本部はベルギーのブリュッセルにあるが、EU政治を実質的に牛耳っているのは、ドイツとフランスの二国だ。そこに、スウェーデン、オランダ、ルクセンブルクオーストリアなどといったヨーロッパ北部の経済優良国がくっついて、いわゆるEUエリート群をなしている。

それに対して南部には、イタリア、ギリシャ、スペインといった経済破綻国が並ぶ。なぜ彼らが経済破綻国になってしまったかというと、ユーロを使っているからだが、今さらこれはどうしようもない。

ユーロには構造的な問題がある。経済力の異なる国々が一つの金融市場で単一通貨を使い、一律の金融政策の下にある。これでは、経済力の弱い国は競争力を失い、いずれ破綻するしかない。そして、それが実際に進行している。

これを解決するには、通貨や金融政策だけでなく、財政も統合するしかないが、そうなると、強い国の税金が弱い国に際限なく流れることになるため、当然、北方エリート組が大反対する。一番強硬に反対しているのは、ドイツとオランダである。

なお、フランスはEU政治をドイツとともに率いてはいるが、経済的には南欧の破綻国側に属する。経済が破綻していながら、政治大国であり得るというところが、まさにフランスの凄さだが、しかし、この国が重篤な金欠に悩んでいることには変わりがない。

だからマクロン大統領はおそらく、EUのシステムを、北方エリート組のお金が南方破綻組に滞りなく流れるように作り変えることが、自分の使命だと思っているだろう。財政統合が本当の意味でのEUの統合であるという理屈はもちろん正論だが、その主張の陰には裕福なドイツに対するフランスの反感がくすぶる。

なお、南欧の国々がブリュッセルに反発するもう一つの大きな理由は、どんどん増えていく難民だ。海から来る膨大な数のアフリカ、および中東難民のせいで、特にギリシャとイタリアが完全に疲弊している。しかし、北方エリート組は口では偉そうなことを言いつつも、本当の意味ではあまり手を差し伸べていない。これも、南北のあいだに大きな亀裂を作っている。

一方、EUには東西の対立もある。東欧の国々はまだユーロを使っていないので金融の問題は起きないが、EUのエリート国が推し進めるリベラル政治に対する政治的反発が大きい。彼らは自国の重要事項は自分たちの主権で決めたいと思っているし、そもそも、エリート組の優越的態度が鼻に付くようだ。東欧組の雄は、ハンガリーポーランドチェコである。

 

中国の本当の狙い

今年の3月初め、コロナ患者の急増にイタリアが苦しんでいたとき、まだ死者など一人も出ていなかったドイツは、マスクや人工呼吸器などが国外に出ることを禁止した。EUの連帯とは無縁の行動だ。

これに腹を立てたフランスがすぐさま同じような措置を取り、慌てたその他のEU国も続いた。セルビアが「助けてくれるのは中国だけ」といった背景には、そういう事情もあった。

そして、ここ10年余り、そういうEUの不協和音を巧みに利用しつつ進出してきたのが中国だった。

すでに2012年、中国は東欧やバルカン半島の国々16ヵ国に呼びかけて、「16+1」という共同体を立ち上げている。まさにEUへの揺さぶりである。去年からはそこにギリシャが加わり「17+1」となった。うち12ヵ国はEU国だ。

中国は、「17+1」の協力で一帯一路プロジェクトを軌道に乗せ、広く繁栄を築くのだとして、これらの国々に大々的な投資をした。ただ、中国の本当の狙いは皆の繁栄というより、まずは自国の覇権拡張と、さらにはEUの分断であろう。

しかし、それを知りながらも、イタリアは一帯一路にいの一番で飛び込んだ。中国資本の魅力もさることながら、何よりもEUへの反感がイタリアを中国に近づけたのである。その他の16ヵ国の行動も似たようなものだ。

 

さすがのドイツもEU防衛に

はいえ、これまでは、そういう中国の動きをメディアが否定的に取り上げることはあまりなかった。ドイツ経済はあまりにも中国に依存し過ぎており、産業界も政界も中国批判など望んでいない。ドイツの主要メディアは、政界の望まないことは基本的に深くは追求しない。

ところが、コロナがそれを変えつつある。独大手紙「Die Welt」に4月13日、香港の女性人権活動家、鄺頌晴氏の寄稿が載った。過激な反中論者である。(全文を引用)

 

(出稿後幾日かは無料ですが後には、有料となりますので全文掲載しました)

 

 

 

ユーロ経済圏は、かつてバブルまでの勢いのある成長により、世界第二位の経済国までになった日本を目の当たりにして、欧州の国々が危機感からこの枠組みな出来たといわれています。日本は、その後バブルの後遺症に苦しみ、回復出来なまま、今日に至ってもなおデフレに喘(あえ)いでいます。

 

一方、ユーロ経済圏は、加盟国を順調に増やし、域内の貿易もかつては盛んでした。この経済圏で、一番得をしたのはドイツで、技術力で断トツであることや為替の変動に苦しまずに域内での貿易によって輸出を増やし一人勝ちとなりました。隣のフランスさえも、経済的にはドイツに食われっ放しです。

 

損をしたのはドイツ以外の国々ですが、中でもイタリアやギリシャ、スペインといったところが代表格です。

 

なぜドイツが一人勝ちを続けられたか?といえば、ユーロ経済圏では為替は変動しません。一般的に言えば、ユーロ圏がなければ、例えば、イタリアがドイツの輸出攻勢に合い、企業収益が落ち、イタリアの経済が落ちます。同時に経済が弱い国の通貨は下落するのが常で、イタリアの通貨リラも本来ならドイツの通貨マルクに対して下落します。

 

つまり、リラ安になります。そうすると、通貨安によりイタリアの輸出はしやすくなり、価格競争で有利になります。そして、次第に経済が回復し、それに伴って通貨のリラ安もリラ高に戻ってきます。

 

これが、経済的には普通であり、健全な状態です。ユーロ経済圏では、通貨はユーロだけですので、イタリアが通貨安で経済を回復することは絶望的です。ギリシャやイタリアは本来、経済が低迷した時、それに気づいて、ユーロから離脱すべきだったのです。

 

このユーロ経済圏が出来た時は、まだ、欧州の経済は健全でしたので、もう少し頑張ってみようと、離脱の先延ばしをしてしまったのも原因の一つですし、離脱を望んでも、ドイツや同じ被害者であるはずのフランスでさえも、ドイツの口車に乗って反対しました。又、離脱するにも違約金も高額でした。足抜けを許さないという訳です。

 

ギリシャは経済破綻手前で、ドイツの金融支援で生きながらえていますが、様々な資産を切り売りしたり、差し押さえられたしています。死にかかった重体の患者に生きながらえるように、医療を施すのと似ています。

 

そして、なんと不幸にも今回の新型コロナの欧州地域の蔓延です。これらの国の不幸は、経済が不調で金持ちの中国に頼らざるを得なかった。そこに、大きな原因があります。中国の巨大な資本が、欧州に押し寄せ、これらの国の製品を中国国内で売らせて、中国依存度を引き上げてきました。

 

それには、ユーロ経済圏の再優等生のドイツも例外ではありません。ドイツは、中国では車の販売では常にトップでした。ドイツという国は、金儲けの為なら殆どなんでもする国です。金の亡者(もうじゃ)です。

 

今回の新コロナウィルスの欧州の蔓延は、この中国との深い関係がきっかけであったと思います。

 

欧州の新コロナウィルスの感染が爆発的に起こったのは、イタリアの北西部地域でした。そこには多くの中国人が住んでいた地域でもありました。まさに、今回の感染の震源地でした。さすがに、ドイツも今回の事態で、目が覚めたでしょう。覚めてほしいものです。

 

 

川口さんの記事の通りですが、私見をつけくわえました。