下の記事で注目すべきは、「陽性者の5割が無症状者」であることと、「PCR検査対象拡充」の二点ですね。
北九州の陽性者、無症状が5割超 PCR検査対象拡充で顕在化
西日本新聞社 2020/6/2 6:00
北九州市は新型コロナウイルス感染者が再び増加した5月23日から同31日まで9日間の陽性者97人のうち、5割超の52人が無症状だったことを明らかにした。市は感染の「第2波」を受け、すべての濃厚接触者をPCR検査して早期発見につなげる“北九州方式”を導入しており、積極的な検査が、ウイルスを媒介する可能性がある無症状の感染者を掘り起こしているとみられる。
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無症状が5割超
陽性者の5割が無症状というのは、
① いずれは、発症して行く。
② 発症しないまま、陰性に転換してしまう。
のいずれかでしょう。
ここで気になるのは、無症状者が、他人に感染させるのか?という事です。
厚生労働省のホームページの「新型コロナウィルスについて」の中の一問一答をあげます。
問3 無症状病原体保有者(症状はないがPCR検査が陽性だった者) から感染しますか。
という問いに回答は次のようになっています。
一般的に、肺炎などを起こすウイルス感染症の場合は、症状が最も強く現れる時期に、他者へウイルスを感染させる可能性も最も高くなると考えられています。
しかし、新型コロナウイルスでは、症状が明らかになる前から、感染が広がるおそれがあるとの専門家の指摘や研究結果も示されており、例えば、台湾における研究では、新型コロナウイルス感染症は、発症前も含めて、発症前後の時期に最も感染力が高いとの報告がされています。
したがって、人と人との距離をとること(Social distancing: 社会的距離)、外出の際のマスク着用、咳エチケット、石けんによる手洗い、アルコールによる手指消毒、換気といった一般的な感染症対策や、十分な睡眠をとる等の健康管理を心がけるとともに、地域における状況(緊急事態宣言が出されているかどうかやお住まいの自治体の出している情報を参考にしてください)も踏まえて、予防に取り組んでください(予防法のQ&Aを参照ください)。
(参考1)アメリカ疾病予防管理センター(CDC)ホームページ
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/about/transmission.html
(参考2)台湾における新型コロナウイルス感染症発症者の感染力の研究
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2765641?resultClick=1
解答の冒頭で、症状が出る前でも感染が広がると指摘がある、とのこと。要するに自覚症状がなくとも、他者に感染させるおそれがある、と書いています。
そうなると、無症状の人とどのように対応すれば良いのでしょうか?たとえ、親しい仲であっても、マスクは着用し、濃密接触は避ける以外にはなさそうです。
しかし、同じ屋根の下に暮らす家族や家族同然の人には、なかなか同じ方法は取れないものです。どうしたものでしょうね。「死なばもろとも」でしょうか。
どこかのテレビでコメンテーターが、『コロナは実は、家庭が一番危険』と発言して、ネットで大炎上して、批判が殺到しました。しかし、家族の誰かが罹れば確かに『家庭が一番危険』である言わねばなりません。コメンテーターが発言に言葉足らずであったのも原因かも知れませんが、ネットもその真意を汲む必要もあったでしょう。
PCR検査対象拡充で顕在化
今回の西日本新聞の記事では、PCR検査対象拡充で無症状でも陽性が顕在化したのは、それでよかったと思います。
検査を拡充すると、このように無症状ながら陽性という事例は増えることになるのでしょう。しかし、今こそ幅広く検査をして、根絶に近い形に持って行くことが、いつまでもボロボロと感染者が出ることを食い止めるのに、いいことだと思います。
無症状者の5割が陽性であれば、どうして検査を増やさなければならない、という風に考えるのは自然です。
凄い勢いで感染者が増加した時のような場合では、疑いのある症状や発症しても軽症なら自宅待機というのは、正しく、疑わしきは検査するという事は混乱を招くだけでした。しかし、新規感染者が落ち着いてきている今は別です。
むやみに増やす必要はないでしょうが、一人でも感染者が出た場合は、その人に接触の疑いのある人を出来るだけ多く検査して、根絶を推し進めた方が、将来的には良いのだと思います。