聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

新、新コロナウィルス検査法(国産技術)

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画像出典:東京大学医科学研究所

 

新コロナウィルスは日本では、収束域に達していますが、世界的に見れば収束の気配は全く見通せません。そのような中では、日本でまたいつぶり返してくるかは、特効薬もワクチンもない現状では予断出来ません。

 

そこで、感染が落ち着いている今、検査体制を再構築して、今秋以降に第二波の流行に備えておくためにも、正確、素早い検査体制を整えることが必要です。

 

2020年6月3日に発表された東京大学医科学研究所が開発した、「新しいウィルス感染症診断薬」を紹介します。これはこれまでの検査の長所を融合し、欠点を克服したもの(冒頭画像)です。出来るだけ、早く実用化に至るようにして欲しいものです。

 

 

さて、新コロナウィルスの検査には3つの方法があります。以前にもこのブログで違いを取り上げました。

① PCR検査

② 抗原検査

③ 抗体検査

 

 一番多く使用されているのは①のPCRですが、最近は②や③も提唱されるようになりました。どの検査方法においても、長所と短所があります。こちらはこの点がいいが、ここは改良の余地がある、と言った塩梅です。

 

そこで東京大学医科学研究所は、これらの長所を融合し、短所を克服した新し新コロナウィスル検出法である「CRISPR」を開発しました。以下にその記事の一部を掲載します。

 

 

 

国産ゲノム編集技術CRISPR-Cas3を用いたCOVID-19迅速診断法の開発

 -最短40分で試験紙による正確な診断が可能に-(medRxivにて発表)

 

発表のポイント

  • 国産ゲノム編集技術CRISPR-Cas3を用いて簡単かつ正確にウイルスRNAを検出する新しい手法(CONAN法)を開発し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の迅速診断法を確立した。
  • この新しいCRISPR検査法は、PCR検査法とほぼ同等の高い検出感度を持ち、抗原検査法のように精密な機器を使わず最短40分以内で検査できるため、医療現場などの様々な場所で「素早く、安く、確実に」COVID-19診断を行うことが可能になる。
  • このCRISPR検査法をPOCT(臨床現場即時検査)として使用できるCOVID-19迅速診断薬として早急に実用化させることで、更なる感染の拡大や重症化の防止に大きく貢献することが期待される。

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画像出典:東京大学医科学研究所

 

引用はここまで、詳細については以下のサイトでご確認ください。

https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/page_00009.html

 

 ウィルスの感染判明までの所要時間の40分は、検査を始めてからの時間になりますので、それまでにかかるウィルスの検査準備作業は含みません。およそ30分から1時間程度は必要の様です。

 

実際にCOVID-19陽性患者10例、陰性者由来サンプル21例の鼻腔ぬぐい液サンプルを用いて診断を実施した結果、陽性一致率(PPA)は90%(9例 / 10例)、陰性一致率(NPA)は95.3%(20/21例)を示したことから、高精度にSARS-CoV-2を検出できることが分かりました。

 

と最後に正確さの数字も上げていますので期待が高まります。

 

それでも、上記の他の検査法より格段に改良されていますので、早期にこの新しい診断法の臨床を進め、実用化して欲しいものです。