聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

石油生産量ランキング

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画像出典:外務省(キッズ外務省)より

 

上の画像における表は、一日当たりの原油生産量の多い国の10位までのランキングです。

1位のアメリカは、それまでの最大産油国であったサウジアラビアを追い越すことになったのは、国内でシェールオイルの開発技術が開発されて、原油の生産量が飛躍的に伸びた結果です。

 

シェールオイルとは、岩盤の下にあるオイルで、岩盤に阻まれてこれまで埋蔵は確認されていたものの、取り出す方法がありませんでした。

 

そのシェールオイルを取り出す技術をアメリカが開発したのです。主に薬品で岩盤を溶かしてパイプをその下の地層まで差し込んで、くみ上げることが可能となりました。現在はその薬品による公害が表沙汰になっていませんが、いずれは社会問題化する可能性が高いと思われます。

 

アメリカは国土が広く、シェールオイルを汲みだすところが、広大な土地で付近に問題となりそうな人口密集地や農牧場が殆どなく、発覚が遅れているか、発覚しても社会に告発の声が届かないかです。

 

 

■ 一日あたりの石油の消費量の多い国ランキング

次は、石油の消費国のランキングです。

 

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画像出典:外務省(キッズ外務省)より

 

上の表から、日本の一日の消費量は世界で第4位で、385万4000バレルです。(1バレル=159ℓ)

 

 

サウジやロシア、またアメリカなどは産油国としても上位にいながら、産油国としての有利な立場であることから消費も多いのでしょうか。あるいは、精製加工しているという統計なのでしょうか。外務省のこの統計には説明書きはありません。

 

日本人から見れば、産油国は羨ましい限りですが、いつまで産油国であり続けることが出来るのでしょうか。埋蔵量に関しては、いろいろな推察がなされています。1970年代には、30年持たないという意見などもありました。

 

が、最近では、なおこの先50年分は埋蔵されているとの発表もあります。これらは原油の価格維持を見据えた根拠に乏しいものの様です。

 

技術革新により、石油が大幅に不要の時代が来るかも知れませんが、まだ少なくとも数十年はかかりそうです。

 

 

■ 各国の石油の採算価格

アメリカのシェールオイルの採算価格は1バレル=50ドル。現状の35ドル付近では採算割れです。廃業も出ています。

 

サウジにとって1バレル=30~40ドル台で採算割れ寸前です。国民に潤沢な生活費を与えることが出来た時代ははるかに昔のことです。ここ10年原油価格は横ばいでした。新型コロナウィルスの世界蔓延以前でも。それが、コロナの蔓延で急落一時は20ドルを下回ることもありました。パニックに陥ったわけですね。

 

ロシアも原油生産設備が古くアメリカンシェールオイル採算価格と同じ1バレル=50ドル程度の様です。ロシアの経済の屋台骨は原油輸出ですから、経済はしばらくは窮状が続きそうです。

 

 

 

 

■ 生きている植物が石油を生産する

次は、石油が殆ど生産出来ない日本には、石油を生産国となる事も夢ではない、といえそうです。それは植物のある種の藻(も)が生産する石油をさらに効率を高める技術と組み合わせると可能なのだそうです。

 

藻類が日本を産油国にする――2種の藻をハイブリッド高速増殖させ、エネルギー自給ができる日がやってくる

筑波大学生命環境系の渡邉信教授によると、藻類の中には1ミリにも満たない小さな体に、石油の代替燃料を効率よく生み出す力が備わっているものがあるという。
単位面積あたりで生産できるエネルギー量は、同じバイオ燃料のトウモロコシの数百倍にもなる。しかも、トウモロコシの燃料利用は穀物価格の高騰につながったり作物の耕作面積を奪うため、近年世界的な問題になっているが、藻類は食用にはほぼ無縁のためそうした心配がない。

(長文のため、一部を抜き出し、掲載しました。全文は下記のサイトで可能です。

 

https://www.mugendai-web.jp/archives/339

 

 教授によれば、日本の休耕田のわずか5%、琵琶湖の3分の1の広さがあれば、日本の年間エネルギー輸入量を賄うことができるそうです。この記事は2013年のものですが、その後の進展はどうなったでしょうか。

 

燃料としての石油は、温暖化と結びついているとする意見が大勢を占めているため、今後のこうした取り組みがどこまで日の目を見ることが可能でしょうか。電気を得るために化石燃料の燃焼はなかなか今後受け入れられません。車にもその運命は変わりません。

 

さりとて、それに代われる決定的な技術は原子力を除いて、いろいろと研究はなされているものの、決定打は出そうにありません。