聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

世界最大のダム 決壊のおそれ

 

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画像:グーグルマップ 記入は筆者

世界最大のダムといえば、長江にかかる2009年に竣工した中国の三峡ダムです。位置関係は上の画像です。山峡ダムと筆者が吹き出しに記入している部分から、薄いピンク色の線が上海までの長江のおおよその流れです。

 

このダムが決壊の危機に瀕しているとニュース、ネット記事、動画などで幅広く連日取り上げられています。中国政府は80年に一度規模の洪水と述べています。

 

『80年に一度規模』って100年ではなくて?と突っ込みを入れたくなりますが、事態は深刻です。

 

それは、日本でも2020年6月20日頃から九州や四国、近畿に豪雨を降らせています。その元となる雨雲は中国で発達して同国においても、各地で大規模な洪水を引き起こしています。中国では24の省で集中豪雨に見舞われ、850万人が被災したとの報道があります。

 

世界最大のダムの上流である四川省では、がけ崩れや地滑りで2,000キロワットと3,200キロワットの発電所が崩壊しました。これによって一部の村が呑み込まれたとのことです。又、地滑りなどで川が堰き止められて出来る堰止湖(せきとめこ)推定の容量123万m3が新たに出来て、更に増水すればこれも決壊の恐れもあります。

 

6月21日の段階で、集中豪雨の影響で増水期の制限水位を2mも上昇していました。その後の水位の上昇で、放水余儀なくされ、その結果三峡ダム下流 宜昌市で水害多発しています。

 

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画像出典:大紀元

     三峡ダム下流 宜昌市で水害多発 放水が原因か(GettyImages)

 

6月30日のYahooの衛星画像でも、まだ雨雲が中国中部に大きくかかっており、更に雨は降り続きそうで、山峡ダム周辺、上流はもとより、ダム下流域においても今後更に被害が広がる可能性があります。

 

 

 

山峡ダムに関しては、これまでいろいろな指摘がありましたので、無作為にそのさわり部分を載せて置きます。

 

■ 山峡ダム四川省地震を誘発している

地震の誘発は、は7年以上前から指摘がありました。大起元日本という、すこし中国に批判的な日本語サイトでした。その分を割り引いても、その主張には一理あると思えたものでした。

『【大紀元日本2013年4月26日】中国四川省雅安市を襲ったマグニチュード7の地震は、巨大ダムにより誘発されたものではないかと専門家が指摘している。またマグニチュード8を記録した、2008年の四川大地震も、ダムが引き金なったとの見方が出ている。

として、山峡ダムの膨大な貯水による水圧がダムを支える地盤に、影響を与え、四川地震を誘発したとの報道でした。

 今回の、降雨によるダムの決壊の恐れとは直接関係があるわけではありませんが、このような決壊するかも知れないほどの貯水となると、地震を誘発する可能性もあります。

 

 

■ ダムが変形している

ダムが完成して、予定の水量を貯留しますと、当然大きな水圧にダムがさらされます。ダムがこの水圧で変形するのは、想定内だろうと思います。どこのダムであろうと、数ミリは最低でも変形します。ただ、山峡ダムは大きすぎるため、地盤が動いていいるとの指摘もありますが、可能性は高いだろうと思います。

 

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画像出典:中国のあるTwitter

これは、よくわかりませんが意図的に手を加えられたのではないかと思います。これ程に明確なのであれば、決壊は豪雨が無くても目前です。いかに中国といえども、放置はあり得ません。同じころの別の画像も投稿されていましたが、これとは全く別物でした。

 

ただ、更に別の航空写真では、中央部がやや下流域に膨らんでいるものもあります。上の画像と同じ程度の高度で撮ったもので、これも少し誇張の細工の感もありました。

 

 

■ 決壊の恐れの指摘は以前から

山峡ダムが決壊するとの指摘は、ダムが完成した当初からありました。完成時に工事の不備で、ダム自体にたくさんのコンクリートクラック(コンクリート面の亀裂)があったといわれています。その数80カ所。2008年の調査でも地盤の変形などが合計5286カ所見つかったほか、ダムの構造物や防水壁にも約1万カ所のクラックが発見され、突貫の修理をして2009年の完成にこぎつけた経緯がありあす。クラックもその程度の問題ですが、出来るのは良いことではありませんが、それがすぐに決壊に繋がることは少ない筈です。

 

 

■ もし、山峡ダムが決壊すれば

中国国内ネット上で、四川省などの水害で各地の小型ダムが決壊すれば、湖北省宜昌市にある三峡ダムは崩壊する可能性があるとの心配の声が上がりました。三峡ダムに詳しい中国人の専門家は「三峡ダムが崩壊すれば、(長江の中下流にある)宜昌市や湖南省岳陽市から、長江の入り江に位置する上海市まで、甚大な被害をもたらす」と指摘しています。これは、その通りですが、長江は曲がりくねっていますので被害は、下流への道中でもっと拡大するのではないかと思います。

 被害は、更には台湾にも類は及ぶとも言われています。

 

 

国としての中国は、好きにはなれませんが、だからといって同国民が不幸になるのを喜ぶ気は起きません。早く国が事後対応をして、被害を最小限に抑えてくれることを期待したいです。