救急車に乗ったことがありますか?
わたしは、これまでの人生全般を通して、3回あります。しかし、わたしは付き添いで乗っただけで、わたし自身が原因で運ばれたわけではありません。乗った感想ですか?
赤信号でも平気で通ることが出来るのは、気持ちよく、かつ見ものでした。それと、救急隊員のテキパキとした処置なども。
付き添いとなった、つまり救急搬送された本人達は、言うほどに救急でもなかったようですが、大事を取ったということでしょうか。まあ、どうにもならないというような大事に至る前にそうした方が良いとは思います。
■ 一人目
個人事務所の次長で、相当な歳上の男性。
いつもの通り、昼食の後でくつろいでいたのですが、次長が
『あ、洟(はな)が出た』
と、言ってティシュで拭いましたが、洟ではありませんでした。鼻血だったのです。
『鼻に詰めをして横になっていたら良くなるさ』
本人もわたしたちも、異口同音に言って、彼は暫く横になっていました。
■ 鼻血が止まらない
ところが、鼻血が止まりません。本人も、それを飲み込んでいる風です。このままではいけないとおもいました。
『救急車を呼びましょうか?』
とわたしが聞くと、小さくうなずき本人も同意。
比較的近いところに、彼の自宅がありました。また、同時に大きな病院の近くでもありましたので、そこに搬送してもらうことになりました。
わたしが、救急車に乗ったのは、その時が初めてでした。病院の診察室に入る時も、病室のベッドに横になった時も、比較的元気でしたが、飲み込んでいた大量の血を吐いたそうです。
『すまん。迷惑をかけて』
といったかどうかはまるで覚えていませんが、
『タバコを止めないと再発すると言われた。止めるぞ』
と言ったことは、今でも覚えています。そして、本当に止めてしまいました。彼は、事務所内で、次々とタバコを止める中で、最後まで止めないと公言していました。なかなかの頑固者でしたので、近い将来には止めないままであろうと、悲観しておりましたが、この病気を機にあっさりと撤回したのでした。
■ 二人目
前出の次長の次の位である、部長。
わたしとは一つ違いで、酒好きでした。その彼が事務所にこの日、来た時から、非常に顔色が優れませんでした。覇気もなく、口数もありません。
『どっか悪い?』
『胃の辺りが変だ』
と痛くはないようですが、辺りを押さえて、力なく笑いました。
『下血してない?』とわたし。
実際に下血していました。その後の仕事中に歩行も困難になり、救急車にて、これまた自宅近くの病院に搬送されることとなりました。彼のかかりつけの病院でした。そして、そのまま入院。
■ 原因は胃の穴
原因は、大きな穴が胃に空いていて、血が漏れていたようです。数週間の入院加療が必要でした。酒が原因だったということは、言うまでもありません。それに懲りて、彼が酒を止めた、という話は聞いていません。多分、控え目に飲み続けているのでしょう。
嗜好品はなかなか止めることは出来ませんから。次長と同じように、このままでは再発して、今度は死んでしまうか、胃がんになるぞ、と言ってもらったら良かったかも知れませんね。
■ 3人目
3人目は、若い女性。これについては、勿体ぶる訳ではありませんが、書くと長くなるので、次の機会にします。これには、ホント参りました。