わたしの好きな言葉にこんなのがあります。座右の銘といってもいいです。
【天は自らを助くる者を助く】
(てんは みずからを たすくるものを たすく)です。
言葉の意は、
誰にも助けを当てにしないで、一生懸命に努力する者には、天の助けがある
長く一生懸命に何かの努力を続けてきたのに、少しもうまく行かない人には、きっとこの言葉は涙が出てしまうのではないでしょうか。
■ 言葉の出典先
聖書の言葉ではなく、ラテン語以来の古いことわざです。
いろいろな西欧の有名な人が、自著で引用して有名になりました。例えば、17世紀イングランドの政治家アルジャーノン・シドニーや18世紀のアメリカの政治家ベンジャミン・フランクリン、下に挙げるサミュエル・スマイルズなど。
しかし、彼らはこの言葉を引用しただけです。
サミュエル・スマイルズが自著『self-help』(1859)の冒頭に掲げたもの(heaven helps those who help themselves)を、日本の中村正直氏が『西国立志編』(1871)で「天は自ら助くる者を助く」と日本語訳したものとされています。名訳ですね。
したがって、日本ではこの言葉はサミュエル・スマイルズのものとされることが多くあります。
■ 言葉の意味するところ
言葉の意味するところは、冒頭でも書いたとおりですが、例えればあなたの真摯な努力を見ている人が、あなたの努力に対して
『あいつ、長いこと頑張ってるな。助けたろか?』
という気持ちを起こさせ、助言や協力が得られて道が開かれるものであろうかと思います。もしそうでないのなら、努力の意義や努力の方法に問題があるのかも知れません。
■ 努力はいつまで?
それでは、いつまで努力を続けたらいいのだろうか。そして、その努力が報われることがあるのだろうか、と考えてしまいます。報われることがあるかも知れないし、ないかも知れないと答えるしかありません。だからこそ、結果には「天」が与えるものとしているのでしょう。
■ 【万事を尽くして天命を聞く】
よく使われる言葉に【万事を尽くして天命を待つ】というものがあります。【天は自ら助くる者を助く】と同様の意味を持つと大抵の場合、紹介されています。
近いが同意義語ではない気もしますが。
また、【万事を尽くして天命を待つ】はよく使われますが、誤りです。
正しくは【万事を尽くして天命を聴(まか)す】です。「聴(まか)す」とは聴くという意味です。聞くでもよい。
やることをやったのなら、その可否は自ずと現れるといえばよいでしょうか。それは、損得から離れた自己満足かも知れません。
■ 後悔なしの人生?
このように、真摯に努力しても、勿論一生涯において報われることがないかもしれません。その時に、後悔があるかもしれません。しかし、人はどんなに努力しても、後悔のない人生など送れるものではありませんしね。