人には、
『ついてないな』
と思う日があります。家を出るときに忘れ物をして、取りに戻ってもう一度よく探したら、持って出たバッグの中に入れていた。しかし、いつもの電車には乗り遅れてしまった。それで、待ち時間が出来て、カップコーヒーを買ったらそれを衣服に溢(こぼ)した。
小さな何気ない出来事に始まったこういう些細でも予期しないトラブルに転がり、また新たなトラブルを引き起こすことは、日常の生活の中で少なくありません。
■ テレビ占い
そういう一日の始まりがあるのと、朝のテレビの一日の占いの場面と何の関連性もありませんが、
『今日の一番いい運勢は、サソリ座のあなたです』
と画面の向こうで微笑まれると、
『お、オレ今日はいい日になるかもな』
と、半信半疑ながら信じたくなるものでもあります。実にたわいもない話なのであり、
しかも、その占いがめったにピタリと当たることもまずありませんが。
■ もうすぐ良くなる
ツキのない日々や、閉塞感が日々の生活に連続すると、人は
『今は雌伏(しふく)時だ。もう少し辛抱すれば、道は開かれるぞ』
という風に誰かに言って貰いたいものでしょう?
雌伏とは、将来に活躍の日を期しながら、他の下に屈従すること。
四国八十八ヶ所めぐりのお遍路さんが、めげそうになっても頑張れるのも、弘法大師が
『常に我は皆とともにある』
との教えを聞くことができるからです。
『おお!ありがたい。弘法様が、わたしと一緒にいてくださる』
と思って頑張れる訳です。
いやいや、そのような偉い方でなくても、迷いや閉塞感がある日には、誰かにそう言って貰えるだけでありあがたい。
わたしは信仰心は殆どありませんので、朝のテレビ占いでも、
『今日の一番いい運勢は、サソリ座のあなたです』
と言って貰えたら、嬉しいし頑張れるのです。
『ヤッター。えへへ。今日は運勢がいい日だ、頑張ろう』
と奇声をあげたりしますと、横で娘が
『ドアホー』
とツッコミ。
まあ、確かに通俗的ではありますが。