聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

姫蔓蕎麦草のように

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ヒメツルソバ


 

我が家の畳の半分にも満たない小さな花壇の下に、雑草のごとき夥しい数の「姫蔓蕎麦草(ひめつるそばぐさ)」が年中咲いています。

 

■ 自生力の強い花

「雑草のごとき」という表現は、花の持つ「可憐で弱弱しい」というイメージを覆すような逞しさを持っているからです。名前の最後にも「草」と付いたのは、そのせいであるのかも知れません。しかし、その花は淡いピンクの金平糖(こんぺいとう)のように可憐です。

 

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姫蔓蕎麦草(ひめつるそばくさ)の花

 

■ どこから来たのか

人から貰ったり、どこかの店で買って植えた記憶はありません。何時しか家と道路の僅かなあきを埋める敷き石の目地に、小さな花が咲くようになりました。その花があまりにも小さくて弱々しく思えたので、抜かずに見守ることにしました。この時には、花の名さえ知りませんでした。

 

 

■ 年ごとに増える

それが、多年草(複数年にわたって生き延びる植物)の逞しさで年を重ねるごとに広がり今では、道路の側溝のコンクリートの蓋の上にまで伸びて、車が止まるたびに踏みつけられたりしますが、決して枯れることがありません。

 

なお、ヒメツルソバと草を付けない呼び方もします。また、姫蕎麦蔓と蔓が後に来る呼び方もあります。

 

 

ヒメツルソバは旧属名ポリゴナムの名前で流通することも多いです。原産地はヒマラヤですが、日本でも半野生化するほどよくふえます。真夏を除き春から秋まで、ソバの花によく似た小花が多数集まった直径1cmほどのピンク色の花を咲かせます。葉は緑色でV字形の茶色い模様が入り、秋になると紅葉します。


茎がほふくし、土に接した節から発根して広がっていきます。花壇に植えるときは、広がりすぎてほかの植物に影響を及ぼすことがあるので、適宜切り戻しをするとよいでしょう。簡単に引き剥がすこともできます。暑さと乾燥に強いので、夏のグラウンドカバーにもおすすめです。関東地方以西であれば、冬は地上部が枯れますが、根は残って冬越しします。(NHKみんなの趣味の園芸より)

 

 

■ 根こそぎ引き抜いても

この花が、花壇の上にまで伸びるようになって、妻が危機感を持つようになり、ついにすべての草を引き抜いてしまいました。

 

ところが、全滅したと思った後の一か月後には、すでに敷石の目地のあちこちから初めて発見したはるか昔の光景がありました。また再生して来たのです。根が少しでもあれば、また再生する逞しさがある花であることも調べで分かりました。

 

 

■ 姫蔓蕎麦草のように

この花の逞しさは、手入れが全く不要であることで知れます。酷暑にも、極寒の日々にも一見して枯れてしまったと思えることがあります。しかし、枯れてはいません。その日々が過ぎると、また勢いを取り戻して、憎くなるほど優勢になります。

 

妻は、今では水をやり、枯れたり、伸びすぎは取り除き、花咲か爺さんのように粒の肥料を蒔いて見守ることとしました。最初はどれほどか嫌っていたのに。

 

わたしたちも、この花のように、幾多の困難や試練があったとしても、しぶとく、図太く、耐えて、生き、敗退せず、そして最後までのうのうと生き抜こうではありませんか。