聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

字が下手な人は損

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イメージです。

画像出典:賢い子の家庭学習

 

上司がわたしに数枚の書類とUSBメモリスティックを差し出して、

『すまんが、会議に出るので、この書類を訂正しておいてくれないか』

といい、

『わかりました』

の、わたしの返事と共にそそくさと退席していきました。

 

後ろ姿と差し出された書類を交互に見て、すこし不安になりました。なぜなら、その上司の字は、いつもながらまことに判読するのが難しいのです。まるで、虫が張ったよう。

 

 

■ 字が下手(へた)

「判読するのが難しい」とは字が下手ということになります。

字が下手というのは勿論、「書いた字がへたくそ」、あるいは、「字が本来の形から著しく変形している」という意味です。

 

従って、本人が席にいれば、

『すみません。ここなんて書いてあるのですか?』

と聞くことが出来ます。恥をかかすといけないと思い、つい小声となってしまう。

『達筆過ぎて読めません』などと皮肉は、とても言えません。

 

 

■ 訂正文言が読めない

『どれ、あ、それな』

鼻メガネで、資料を見ながら上目遣いにわたしを見ながら、

『これはだな・・・』

と解説を受けることになります。それを、受け取った資料に書き込む。そして、席に戻りなおす。また次のページにも行き詰ってまた聞きに行くということが多いと、

 

『こんなのなら、自分で直せばいいのに』

と思ってしまう。

 

 

■ 聞くことが出来ない

今回のような、上司が会議に出てしまって暫く帰って来ないという状況では、訂正の文字が何と書いてあるのかを、会議室まで聞きに行くわけには行きません。こちらも、「こう書いてあるのでは」「いや、こうかも知れない」と悩むが、やはり正確には本人に聞くしかわからない。

 

 

■ 上司が帰って来た

上司が席に帰って来て、

『直してくれた?』

と聞く。

『あ、あとちょっとお聞きしないと、直せないところがあります』

『あ、そう。どこ?』

 

その個所を指さしますと、メガネをおもむろにかけてわたしの手から書類を取って、

『どれ、どれ、 うーん 従いまして、この件を・・・』

と最初の声を上げての読み上げが上司の訂正箇所に来ると急に速度が落ち、小声になり、後は何やらブツブツとおまじないの様になる。

 

 

■ 自分も読めない

何度もブツブツ言いながら、結局自分で書いた字であるにも関わらず、自分で読めないという最悪の事態に至り、

『あ、この訂正はボクが治しておくから』

『わかりました。宜しくお願い致します』

と言ってメモリースティックを渡して、晴々とした気分になる。