倒れた人が家族なら、もろともに運命を共有するしかないかも知れません。しかし、親友や親戚であれば、今の世の中では助けることはほぼ不可能というものです。助けると言っても、出来ることは精々「助言」や「心当たり当たってみる」のが関の山ですし、それ以上は行ってはいけません。
■ 倒れた人とは
ここでいう「倒れた人」とは、病気やケガの人ではなく、経済的に行き詰ってしまった人のことであります。
■ お金がないと助けられない
お金に関しては無限に近い余力がある人でなければ、この人を助けることは絶望的です。どんな親友でも親戚であっても。
■ 一旦、お金を貸すと
それでも、親友だから、親戚だからといって何とかしてあげようと考えるとなると、お金を貸すしかありません。しかし、お金を貸すと当初は大変感謝されはしますが、数か月から数年の間にまたしても、貸したお金を返さないまま「お金を貸してほしい」とやってくることは、ほぼお定まりの成り行きです。
■ 今度は貸さない
今度はこちらも貸さない。貸す余裕がない。従って、丁重に断りをする。
『この前貸したお金も返してくれていないし、今はこちらも余裕がなくて、新たには貸せない』
と断りますが、相手は引き下がりません。
『10万円がダメなら、5万円でもいい』
と金額を下げてきます。それでも渋ると、2万円まで下げ、挙句は5千円とまでいいだします。一体10万円が5千円になってもいいとは、どういう算段なのでしょうか。
■ 5千円ならと貸す
「5千円でもいい」と迫られたら、さすがに貸さない訳にはいきません。5千円でも、この世知辛い今の世では、少なくない金額ですが、お金に困っている人は、唯の5千円にすぎません。この辺から、貸したことを後悔し、この先に悪い予感がしてくるものです。
お金を貸せば、後は
『借りたのは必ず返すから』
といってすぐさまに帰っていきます。
■ また来る
しかし、貸したお金は返して貰えていないのに、また彼らはやってきます。また、貸してほしいというのです。
理由は、さまざまです。色々とそれらしい言い訳を言い出します。しかし、今度はこちらもこれ以上は駄目と思うので、
『悪いけど、この前のお金も返してもらっていないし、今日は貸せない』
ときっぱりといいます。が、彼らは引き下がりません。
『この前は貸してくれたのに、なんで?』
とか、
『今夜の食事代だけでいい。親友じゃなかったのか?そんな、薄情な奴なのか、君は!』
とまで言い出します。
■ お金を貸すと親友、親戚関係は破綻する
ここまでくると、親友であることはもうとっくに破綻していますが、それを言われると、これまで付き合いがすべてこちら側の虚偽であった風に取られ兼ねず、引け目が出来たりします。それは、親戚関係であっても同様です。
実際はそんなことになるまでになった、親友の責任ではあってもこのようになると、最後は口論となり、後味の悪い結末しかありません。かつ、貸したお金は殆ど回収不能となります。
■ 断固最初から断る
お金を貸すときには、あげると思って貸すべきです。が、出来得る限り、どんな親友や親戚でもお金は貸してはいけません。一旦貸すと、これまで述べてきたように、一回きりでは済みません。
『必ず返す』といい、親友だし、親戚であろことだしと、こちらは思っても、相手の苦境はそう簡単なものではなさそうで、本当に返す気が合っても叶わないのが実情であろうかと思います。
なかなか、納得して貰えないかも知れませんが、親友だから親戚だから断るしかないのです。
どこまでも貸してあげられるのであればいいのですが、そうでなければそれまでの人間関係が、最後には破綻します。いつかは、断らざるを得なくなるからです。その上、お金はほぼ回収不能となります。それまでの、交流関係のすべてを失います。
従って、最初から断固断るのが一番です。それで、家族が心中するしかないと言われたとしても。で、無ければこちらがそうなります。また、断って実際に心中した人はいませんでした。
これで、わたしも苦労しました。お金は貸さず知恵を貸すが最善です。