聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

看護婦のはるみちゃん

 

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画像出典:123RF


はるみちゃんは、わたしが中学二年生の時、病気で入院していた病院で働いていた看護婦(看護師と今は呼びます)さん。白いナースキャップを被り、色白で背のスラっと高い、少し腫れぼったい面長な顔立ちの、美しい人でした。

 

目が切れ長で、少し上気して頬が仄かに明るくなって彼女が病室に来てくれることだけが、わたしの唯一の嬉しい一日の行事でした。わたしの病室は、3人部屋で真ん中は空いており、わたしと反対側には、同郷の二つ上の小柄な男性がいました。

 

■ はるみちゃんの妹

はるみちゃんは二人姉妹で、妹はわたしと同級生でした。同じクラスになったこともあります。妹は、姉のはるみちゃんから比べたら、器量は少し見劣りがしましたが、同じように背が高く、明るくよく笑い、笑うとエクボが出来ました。けれど、妹の名は覚ええていません。

 

わたしたは男3人兄弟で向こうは2人姉妹なので、お互に異性の兄妹がいないことで、惹かれるところはあったと思います。しかし、わたしは姉のはるみちゃんが好きでしたので、妹は殆ど関心がありませんでした。

 

■ 妹からラブレター

はるみちゃんの妹、即ち同級生からラブレターを貰ったことがあります。内容は殆ど覚えていませんが、好きだとか、愛しているとかではなく、

『わたしと付き合ってください』

だったと思います。はるみちゃんだったらどんなにか嬉しかったのに。

人は、好きでもない人から、好意を寄せられてもなんと冷淡なものだろうと、今になって思います。

 

■ しかし

しかし、わたしの好きだったのは、はるみちゃんであったので、結局返事は返しませんでした。そして、わたしは病気で留年し、妹は卒業していき、一度もそれ以降合いも、会話も交わさないままとなりました。今はどうしているでしょうか。時々ですが、二人を思い出すことがあります。