「女が三人寄れば、市(いち)が立つとか、「女が三人寄れば姦(かしま)しい」といいます。「かしまし娘」のあの「かしまし」です。姦しいとはやかましいということです。
で、男が三人寄れば、「謀る(たかばる)」といいます。上の女の部分が男に変わるだけの字となります。はかりごとをしてしまうという意味でよくはありません。
しかし、わたしの若い頃なら同年代の女性の話しかしなかった気がします。勿論、これはわたしの場合であります。わたしが、もしそばに他人の会話をそばで聞いていたら、
「何ぞ、他に考えたり話すことはないのんかいな?」
と今であれば、思うことでありましょう。
■ 若い時は
しかし若い時は、ともかく殆ど頭の中が女性のことで一杯になりがちであります。わたしの場合、今は少しも若くないので、お金のことばかりですが。
男が三人寄ればと言っても、親しいもので会った場合の話で、挨拶を交わす程度の三人ではありません。同じ年代で同じように彼女もおらず、親し気に腕を組んで歩くカップルを見ますと、羨まずにはいられない寂しい男同士ということになります。
■ 三人兄弟
わたしは、三人兄弟。二十歳台前半では、例に漏れずに合えば、三人で若い女性の話を欠かしませんでした。勿論、それ以外の話もしたのですが、ほんの少し。
建材店に勤めていた弟は、朝の出勤時刻に店の前の掃除をしていると、必ず通るという美人に、ある日決意してラブレターを渡したそうです。勿論、ダメでした。その女性もそれ以来前を通らなくなったと言います。
そういう話を、互いに持ち寄りどうしたら上手く付き合えるようになるか、良案も浮かばないまま延々続くことも。
■ 若い時は心意気、年を重ねればお金
若い時は、男はお金はなくても女の子はその心意気(こころいき)で好いてくれますが、歳を重ねていくに従い、お金も重ねていないと、なかなか好かれませんね。