一般的に砂などに潜らず、岩場に隠れず泳ぎ回っている魚類の眼は大抵、円形です。きれいな同心円を描いた瞳が中央にあります。びっくりしてもしなくても同じ丸い眼をしています。
当たり前だと思って何とも思わないのが普通ですが、わたしは
『細かいところが気になる性分でして』
で気になるのです。
さかなは瞬きなどはしません。目は、ずっと見開いており、両側面に大抵ついています。眼は上下左右に少し動きますが、大きくではありません。
■ 参天製薬の記事から(冒頭の画像参照してください)
水中で生活する生き物、サカナの多くは水の中に適応した水晶体を持っています。目のつくりは、私たちとよく似ているのですが、サカナの水晶体はボールのようなまん丸のカタチをしています。
そのため、光の曲がる角度は私たちよりもずっと大きく、水の中でもきちんとモノを見ることができるのです。焼き魚や煮魚を食べているときに、サカナの目の中に白くて丸いモノがあることに気付きませんか?
それがサカナの水晶体です。本当はヒトの目と同じく無色透明なのですが、たんぱく質が多いため、熱を加えると白くにごってしまいます。
サカナの水晶体はカタチはずっと球形のまま、私たちヒトのように厚くなったり薄くなったりはしません。遠いモノと近いモノを見るためにどうやってピントを合わせているのかというと、水晶体の位置を前後にずらすことによって調節を行っています。
ちょうど一眼レフカメラのように、レンズの位置を変えることでピントの調節をしているのです。サカナのあの丸く黒い瞳はなんとなく横を見ているように見えます。これは、丸い水晶体の半分が虹彩(茶目)の前に位置しているためです。そして、サカナの視力はあまりよくありません。
映された像を感知する視細胞の密度が少ないためで、色もよくわからないのではないでしょうか。もしかしたら、サカナの見ている世界はモノクロなのかもしれません。なお、マグロやカツオはヒトの目に換算すると0.5の視力があるそうです。
■ 視力は悪い
なるほど、人間なら水晶帯の厚さを調節するところを、魚は丸い水晶体を移動させて視力の調整をしているのですね。魚ってあまり見えてなくても何とか生活が出来そう。音とか、嗅覚とかを総合すれば、視力が悪くても良いのでしょうか。
しかし、裸眼で魚は0.5程度見えるそうですが、わたしの裸眼よりずっとよい。