聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

数日とは何日のことを指すのか

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画像出典:FNN

 

「手続きには、数日かかります」とか「判断は数日中に行われる」などと言った時には、わたしたちはどれくらいの期間を想定しているでしょうか。

 

数日とは大抵の人が、「2-3日程度」と考えているのではないでしょうか。ところが、この言葉には、ずいぶんと幅があって、一番大きなものでは、

「数日とは10日未満」とする大きな意味合いもあります。要するに二けたには至らない日数となります。

 

そうなると、「数日」を巡って大きな認識の差が出て、最悪の場合には論争から訴訟に発展しかねません。数日という言葉が出てきた場合は、要注意です。そういう時は、

「2-3日という意味か」

とか

「4-5日なのか」

という風に、具体的な範囲を確認しておいた方が良いでしょうし、そういうあやふやな文言を遣わない方が良いし、自身に降りかかるかも知れない事柄にあっては、相手に使わせない方が良いでしょう。

 

■ NHKの記事

NHKでは、わたしの疑問に答えるような一答がありました。偶然に見つけたもので、参考になるかと思います。

 

 

「数日」は何日ぐらい?

(NHK放送文化研究所より)

Q 「数日」は何日ぐらいのことを指すのでしょうか。

 

A 人によってとらえる日数が違う語です。放送で使う場合には、具体的な日数を伝えるか、日数がはっきりしない場合は、「2~3日(にさんにち)」「3~4日(さんよっか)」などの表現を使ったほうが、わかりやすいでしょう。

 

解説

「数日」は「○日」である、という正解はありません。「10日より短い日数」であれば、間違いとは言えないでしょう。

「数日」の意味を国語辞書でひいてみます。「2から10に満たない日数」と幅をもたせるものや、「2、3日から、5、6日」と日数を限定するものなど、辞書によって意味はいろいろです。

 

平成14(2002)年に行った世論調査で「「数日」は何日ぐらいのことを言うか」を聞きました。この調査の結果、「2~3日」と答える人が多く、平均は「3.4日」でした。若い人ほど、「数日」を短い日数で考え、60才以上の人たちは、「数日」の感覚が長くなることがわかりました。

 

平成8年には「「数日後」は何日ぐらい後のことを言うか」を聞く調査をしました。「数日後」の平均は「3.8日後」という結果でした。調査したことばが異なるので、2つの調査結果を単純に比較することはできませんが、年代差などから見ても、「数日」は、だんだん短くなってきている、と言えそうです。

 

放送で「数日」を使う場合は、こうしたことを踏まえてことばを選ぶ必要があるでしょう。