人生を豊かにするものに、読書もあります。若い頃は月に10冊程度は読めたのですが、今は目が疲れるので、殆ど読むことはありません。読書は、若い時にこそするものであろうかと思います。
先日、古本屋さんで
『トルストイの「苦悩の中を行く」という本はありますか?』
と聞いてみました。内容は、知らないけれど何だか、題名に惹かれて読んでみる気になったのです。
古本屋の店主は
『このご時世に、純文学を尋ねてくれるなんて嬉しいね』
と言いながら、控え帳のようなものを調べてくれたのですが、ありませんでした。わたしは、仮にここに有って買っても途中で投げ出してしまうかも知れないと思いながら探していたので、何故か無くてホットしてしまいました。
トルストイの本は、幾つか読んだのですが読み終えたのは、一冊のみで短編でした。長編小説は、書き出しから朗々としていて、筋の展開が悠長なので短気なわたしには向いていません。若い時に呼んだ本も、どちらかというと短編が多かった。
今、全集として持っているのは、
「森鴎外全集」と「坂口安吾全集」「芥川龍之介全集」でこれらは隈なく読みましたが、殆ど忘れてしまいました。しかし、これらは短編が多く中編であっても筋が明瞭で引き締まった文であり、わたしにピッタリしています。
読書の楽しみも今では目の疲れで、苦痛なのが残念でなりません。