聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

鳥にもあるいじめ

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画像出典:畜産zoo鑑

 

ニワトリを300羽を鶏卵販売の目的で飼っていました。卵を生涯に280個も産む「白色レグホーン」という種類の養鶏です。もう数十年も前のことでした。

 

同時に300羽を買ったので、彼女等はすべて同級生ということになります。小さなヒナの時から、卵を産める体になるまでには5カ月程度かかかり、その間には何羽かが死んだりしました。養鶏はリスクの大きい先行投資でした。

 

■ 卵を産む

卵を産める体になると、多くのニワトリにとって初産は人間と同様に苦しい試練の時です。卵に血が付いているのはそういう時の難産のしるしです。

 

■ 血を何故か突く

従って産卵時の血がニワトリのお尻についていたりします。それを何故だか一羽が突くと、次々と他のニワトリも加わり突き始めます。赤いものに興味か関心があるのかは分かりません。

 

そして、さながらリンチの様相に発展し、被害のニワトリは逃げ回るのに懸命ですが、鶏舎はそれ程広くなく、逃げ場は殆どありません。

 

■ 鶏舎から出す

見かねて、被害のニワトリを鶏舎から外に出す。これで、ゆっくり外で傷がいえるまで過ごさせようと考えていましたが、彼女はそれを良しとしません。鶏舎の周りをうろつき中に戻りたくて仕方がない様子なのです。餌を与えて気を逸らそうとしても、見向きもしません。

 

■ 仲間の内に戻りたい

あれほど、自分をいじめて来た仲間の中に戻りたいらしいのです。それならと、鶏舎に彼女を戻しますが、するとまたいじめは始まります。慌てて再び外に隔離。

 

結局、最後は鶏舎が見えないところに傷が癒えるまで引き離して育てることとしました。それでその後、完治しましたが、鳥の仲間内では彼女の存在はかなり有名なのか、お尻を追い回されることもありました。それ以降の事には記憶が残っていません。

 

■ ニワトリの社会にも階級がある

ニワトリの社会でも、階級制は存在します。先に生まれたものと後から生まれたものとの差です。食べ物でも、先輩の食後か離れたところでしか食べられません。

同級の中でも人間と同様に、力のあるものといじめられやすいものが存在していて、食事時にはつまはじきされるものも幾羽かはいます。

 

ニワトリを飼っていて、今から思えば人間社会と変わらん、という思いが込み上げて来ます。ニワトリの社会には、しかし、助けてくれるものは存在しない点では、人間の方が幾らかはまし。