聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

#ロシアウクライナ

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画像出典:au webポータル

 

ロシアがウクライナに軍事侵攻していることは公知のとおりです。

侵攻の理由は、当のロシアのプーチン大統領の発言の外に、各界から色々と色々な人が述べていますが、どれもそれなりに当っているけれども、決定的な原因ではないような気がします。

 

日本人からすれば、不可侵条約を反故にされた上に北方領土を不法に占拠されている現状を見れば、国際的に独立国家に軍事侵攻を許せない気持ちは当然にありますし、日本人として現状のロシアを忌々しくみるしかありません。

 

ロシアという国は西欧に攻め入られ多大の損害を受けた大変に気の毒でもある国である反面、近隣諸国に対する戦争で蹂躙した加害国でもありますし、絶えず内乱があった国でもあります。

 

人は、殴られたことは良く覚えていますが、殴ったことは殆ど覚えていません。そういう勝手生き物ですが、それは国であっても同じです。同じ人間の集まりであるのですから。

 

ロシアは自国が他国から侵攻された記憶は忘れてはいません。

その記憶とは、まずモンゴル帝国、更にはナポレオン、一次大戦のドイツ連合、二次大戦のドイツ連合との戦いでの多大な犠牲と損失でしょうか。

 

中でも、二次世界大戦ではドイツとの戦いで2700万人という戦死者を出しました。これは日本の死傷者300万人の9倍です。また、負傷者は270万人と日本の戦死者に迫る人数でした。

これらの相手は、西欧であり今も西欧に潜在的な恐怖心と猜疑心を抱き続けています。

その気持ちを更に助長したのは、国内での戦後のマルクス主義の犠牲です。スターリンの時代には30万人が処刑されたと言います。

 

そういう中で、西欧嫌いとなるのは仕方ないかも知れません。しかも、ウクライナが西欧に接近するなどと言うことは、ジンマシンが出る程厭なことであったと言えます。

それは、絶対に認めたくないという気持ちが理性を制しています。ウクライナキエフは日本で言えば奈良か京都の様なロシア歴史の発祥の地でもあり、尚更です。

 

その思いに同情は出来ますが、だからといってウクライナという今では独立国に武力で侵攻することが許されるものでもありません。されたことと同じことをしては、その主張の正当性はありません。

この戦争には戦力の差は歴然ですので勝つ事でしょう。しかし勝っても、いずれは高い代償を支払うことになる筈です。

 

 

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さて、この先はどういう展開になるのでしょうか?

 

■ ①ロシアの軍事攻勢でウクライナが陥落する

ロシアの軍事力をもってすれば、ウクライナを軍事攻略することは、通常兵器で充分に可能でしょう。

現状では、ウクライナの軍備はソ連時代の旧式のものが殆どですが、モスクワまで到達可能なミサイルも含まれています。これを最後には使う可能性もゼロではありません。それをロシアは念頭においていて、チェルノブイリ原発を一番先に押さえたものでありましょう。原爆作るか隠し持っている筈だと考えているのです。

 

今後、早期決戦を目指すロシアの攻撃は激しさを増し、最終的には首都制圧を成し遂げるでしょう。首都進撃に抵抗にあって難攻しているとの報道もありますが、大した武器は使用していませんのでそうなっているだけです。首都陥落まで持って行くのは、交渉次第と考えているのでしょう。

 

仮に親ロシア政権をウクライナに無理くりに樹立させたととしても、現ウクライナ大統領が生きている限り抵抗はするでしょう。現ウクライナ大統領には、国際的に主要な国の支持がありますので、どの国もロシアによる新たな親ロシア政権を傀儡政権として認めないでしょう。

 

ロシアは、ロシア軍を駐留させないとは言っていますが、抵抗にあえばウクライナから出て行くことは出来ないでしょう。つまり戦争の泥沼化です。

 

 

■ ②ロシアの経済疲弊により国内での批判が高まる

ロシアは世界の主要な国の金融制裁に合い、経済は疲弊してデフォルトかデフォルトと同じ状態になることは間違いありません。物価が高騰し、生活物資が極端に不足して、国民生活は窮乏状態に陥ります。パン一切れにバケツ一杯のお金が必要というような事態です。

国民の不満の一部は、欧米にも向かうでしょうが、その殆どがプーチン大統領に向かう様になるでしょう。そのためにも、早期に決着をつけなければならないと考えているでしょう。仮にプーチン大統領が失脚して誰が大統領になっても、世界の金融制裁はそう簡単に緩むことは無いでしょう。

 

 

 

■■■ 解決の選択肢■■■

プーチン大統領がクーデターで失脚し、新しい大統領が誕生して、無条件停戦と軍の撤退に至る。

 

今はロシア国内では、表立ったプーチン大統領への不満は限定的ですが、次第に数は増加するでしょう。その高まりが最早押しとどめることが出来なくなると、期を見計らって軍や政治家がクーデターを起こすこととなるでしょう。これまでの独裁国家に見られた構図です。これがロシアにとってはひとまず、世界中の国にとっては最良の結果となるでしょう。

 

 

ウクライナが親ロシアへとなびくような政権と変貌する。

 

これは、現大統領が世界に向けてロシアの意向に従うと宣言することになりますが、可能性は核兵器をロシアが使用するより少さいでしょう。

 

解決には以上の二つしかありません。

停戦合意、ロシア軍撤退でロシアは、ウクライナに膨大な賠償責任が生じます。人的被害と国富被害に対する補償です。ロシアの経済は脆弱で主力産業は天然ガスなどの地下資源でしかありません。ロシア国民の生活は再び窮乏を強いられる辛い時代が始まるしかないのではないでしょう。

 

■ 最後に

最後に、今のアメリカにとって目の上のたん瘤はロシアと中国です。ロシアを弱体化すれば、残るは中国のみです。中国に専念して弱体化を進めてこれにもいずれ勝利すると思います。

今、一番ロシアの孤立を喜んでいるのは、アメリカで一番苦しんでいるのはロシアで、不安で一杯な中国という構図でしょうね。バイデン大統領はプーチン大統領は「ヘタをこいた」と言って笑っていることでしょう。

 

アメリカに逆らって繁栄出来る国などこの地球上に無いのかも知れません。