聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

ケチな人

 

画像出典:meaning-difference.com


何十年も前の話。

ある日本のプロ野球球団の一軍監督の一人がひどくケチだという話題が巷に広がっていました。それによるとなんでも、タバコ一本ごとにその監督の名前を書いている、と言うものでした。

『あはは、まさか』

とわたしは笑いましたが、ケチな人を端的に表現しているなとも思いました。

 

■ ケチな人の常

ケチな人はどういう立場になっても、お金を使いたがりません。というより、お金を使うことに苦痛を感じるのです。心的苦痛です。たとえ一円でも出費は押さえたいし、その為には思いも寄らない節約術を身に付けていたりします。

従って、本来ならお金を出さなければならないと非常に陰鬱になっていたところを、出さずに済んだ場合のケチな人の喜びようは、尋常ではありません。心の中で、

「やったー」

と叫んでいるのかも知れません。

なお、冒頭のタバコの話ではケチと言うことに納得しましたが、実際にその監督がそれ程にケチだったのかは、今になっても分かりません。

 

 

■ ケチもかなり損をしている

ケチだけでである事は犯罪ではないのですから、訴えられるようなことはありません。しかし、ケチも程度としなければ、やがてはこの監督の様な誹り(そしり)を免れません。

又、うんわ来るくすると、訴訟沙汰に及ぶ可能性も無いではありません。そうなると家族や親戚は、そうなると肩身の狭い思いもしなければならず、その逸失利益は、計り知れません。

ケチな人はまた、損をすることを極端に嫌います。しかし、少しも損をせずに一生を送ることはほぼ不可能です。損をしないで喜んだのも束の間で、思いもしない不幸や不運に見舞われて、貯めて来た財産を失うということもきっとあるでしょう。長い人生には、何度となく損をしなければならない場面に遭遇するものです。

 

 

■ 損して得を取れ

昔からのことわざに「損して得を取れ」と言うものがあります。意味は、

目先だけの得を考えるとかえって大きな損をすることがあり、逆に今の損を我慢すれば最終的に大きな得を得ることがある

 

と言う教えです。まずは損という将来のための投資をして我慢をしなければ、その大きな果実も得られないという事でもあります。まず、損と思える出費をわざわざすることがケチな人には出来ません。損をしたくないために、将来のための投資が出来ないのです。

 

ケチな人は、結局損は殆どしないかも知れないが、得もまた殆どない、と言わねばならない結果となります。

 

 

■ 節約家

ケチに似た人に節約家が居ます。お金を使うことに心的な苦痛を感じるという点では殆ど同じかも知れません。ただ、節約家はお金を使わねばならない時には、ケチな人程には抵抗しないと言えます。そうでなかったらケチと同じになりますから。

両者は、普通ならお金と引き換えに物を手に入れる事を、喜びとするところを苦痛と感じる点で殆ど同じです。