聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

「対岸の火事」と「他山の石」

画像出典:ことわざ慣用句辞典

 

よく目にしたり使ったりする「対岸の火事」と「他山の石」と言う慣用句。よく似ている感じだと使い方を間違ったりしますので、恥をかかないようにしたいものです。

 

そのうち「対岸の火事」は殆どの人が言葉の使用場面を間違わない。言葉の意味は、

 

こちらの岸まで燃え移るおそれがない川向こうの火事。当事者にとっては苦痛や災難であっても、こちらには関係なく少しも痛痒を感じない物事のたとえ。(ことばバンク

 

となります。早く言えば「対岸の火事」は

『あっちの出来事は知ったことではない』

と言う事であります。

 

 

一方「他山の石」

「他山の石」は『詩経-小雅・鶴鳴』の「他山の石、以て玉を攻むべし」から来ており、

 

よその山から出た粗悪な石でも、それを砥石に利用すれば自分の玉を磨くのに役立つという意味で、他人の誤りを自分の修養の役に立てることをいう。

 

となります。

早く言えば「他山の石」は

『人の振り(誤りを)見て、我が身を直せ』

にかなり近い類語と言う事であります。

 

「他山の石としない」は従って誤りとなるのです。この誤りは、「対岸の火事」を類推し、混同して誤用しています。正しくは「他山の石とする」が正しいのです。

まあ、誤用はよく見かけますね。