最近のテレビでは、時代劇を殆ど見かけることがなくなりました。わたしはファンなので非常に寂しい。それは、Amazonのプライムビデオでも多くありません。
近年の映画の作品はそれなりに見かけますし、原作がしっかりしていていいのですが、出来れば黒澤明の全盛期の頃の白黒のテレビドラマが見たいといつもおもう。数多い中から、幕末の京都を舞台にした
「俺は用心棒」
がとりわけ好きです。
現在、YouTube 東映時代劇 公式でその第一話と二話をfullで視聴することが出来ます。
わたしはそれを見て、時代劇がますます好きになりました。
「俺は用心棒」の主人公である用心棒には栗塚旭さん(ご存命です)のぶっきら棒でありながら、やさしい役柄と殺陣と濃い顔立ちに惹かれる。
■ 「俺は用心棒」第二話
第二話の殆ど終盤辺り。リンクを張っておきます。是非ご覧あれ。
用心棒が隠れ居るとは知らず、チンピラが幼い子と武士である夫を失って、生活に困窮する若い美しい人妻のところに、借金の証文を手に取り立てにやって来る。その額15両。
払う金がないことを承知で、チンピラは体を売って返せと迫ります。そこに襖越しに身を潜めていた用心棒がぬっと現れる。
驚くチンピラ。チンピラは、恐れながら
「約束のカネは昨日から渡そうと持っている」
といい、用心棒に20両を渡す。用心棒はその金から15両取れといい、証文を受け取る。受け取りと同時に破り捨て、チンピラを追い払う。
ここからが用心棒のセリフで、わたしが良いなと思った部分です。
用心棒「俺も行く。世話になった。迷惑だったことは詫びる」
美しい人妻「いいえ、何をおっしゃいます。それよりあんな大金を」
用心棒「いいのだ。美しい人妻と襖を隔てて一夜を送った。素泊まり料としても安い物だ」
といった剣が強い上にニヒルをサラッと出すカッコよさ。欲がなく弱い者にやさしく、残った5両の中から2両だけを取って去って行く。全部を置いて行かないところもいい。
この手のストーリーはアメリカの人気テレビドラマ「ジャック・リーチャー 正義のアウトロー」(Amazonプライムビデオ)の主人公リーチャーにも色濃く重なるものがあります。
こういうキザな事がたまらない魅力のドラマです。