「岸壁の母」という歌をご存じでしょうか?双葉百合子さんが歌ったことで有名になりました。けれど今の若い方は殆ど存じ上げられないかも知れませんね。
母は来ました 今日も来た
この岸壁に 今日も来た
届かぬ願い と知りながら
もしや もしやに引かされて
終戦になって大陸からの引き上げ港になった軍港の「舞鶴(まいづる)」に我が子の帰りを信じて通い続けた母、端野いせさんの姿を抒情的に歌ったものです。いつ聞いても胸を打たれるのは、母の子に対する愛情は無償であり、一途(いちず)さが出ているからでしょうか。
この歌詞に出てくる「舞鶴(まいづる)」は京都府の北部、日本海側にある港で、戦前からの日本海における軍港としての要衝でした。今も海上自衛隊の日本海側の要衝の基地となっています。
■ 舞鶴の観光案内
まず舞鶴の観光には「舞鶴引揚記念館」がつとに高名です。観光地というには切ない気になりますが、戦争の愚かさを知るには良い機会であろうかと思います。今日においてもロシアウクライナの戦争があります。第二次大戦であれ程不戦を誓っても、人間は忘れるものなのでしょう。
冒頭に書いた「岸壁の母」の端野せいさんの紹介もあります。毎回のこと大陸からの引き揚げ者が、家族と再会出来て喜ぶ姿を目の当たりにすると、端野せいさんもいたたまれ無かったことでしょう。察するにあまりありあります。親より先に逝くのは、何よりの親不孝です。
「舞鶴引揚記念館」はいわば広島の原爆記念館に通ずるものがあります。ま、この地を訪れたなら入館を勧めます。
■ 舞鶴港
今日の舞鶴の舞鶴港は先にも書いた通り、海上自衛隊の日本海の基地として要衝の地です。漢字の人と言う字に似た入江になっており、相手の攻撃から守るに固い地形をしています。
現在、ここを訪れると、
様々な自衛隊の艦船を見ることが出来ます。「艦コレ」の趣味の方には、打って付けかも知れません。イージス艦など最新のものも、タイミングが良ければ見ることが出来ます。
戦前の海軍基地の面影を残すレンガ造りの兵舎等数棟が並んで残されています。棟の中は店舗や個人店舗の一時的な販売所の様になっていて、休日にはにぎわっています。棟と棟の間の空間は、土日や祝日には露店が出てにぎわいます。
ここは、映画の「海賊と呼ばれた男」のロケにも使われました。瀟洒なレンガ造りの建物は、戦前の軍港の建物ではあるものの、そこはかとなく哀愁を感じるものです。
■ 五郎が岳(ごろうがたけ)スカイタワー
舞鶴港を一望できるタワーがあります。ここが三番目の訪問地として定めてもいいでしょう。それは五郎が岳公園の中にあるタワーで、高さ20メートルと小ぶりながら、建てられた地が「岳(たけ)」と付いているように、高い山の上に設けられていて、まるで視界を阻むものがなく爽快にな眺望です。
以上が主なところであろうかと思います。