聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

墓のない人生ははかない

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豊臣秀吉の画

 

何時頃であったか記憶が定まりません。

京都地方限定のテレビCMに次のようなものがありました。

 

『忠兵衛はん、墓のない人生は、はかないどすなあ』

と京都弁で、声から察するに(希望的観測も加味しますと)綺麗な若い女性の声でこのようなナレーションが流れます。すると、体格のがっしりとして些かいふくよかな短髪の歳の頃50歳過ぎの男性が、ニヤッと笑います。

 

そして

『やあ、分かって呉れはりましたか?あなたも是非墓ある人生を』

と続けてます。言葉が言い終わるとほぼ同時に、

「墓石、石材の川浪忠兵衛(かわなみちゅうべい)」

とテロップが流れるという趣向です。

 

■ はかない

実際に人の夢とか希望などと言うものは、実にはかないものであります。従って、はかないとは「果敢ない」が一般的に書かれる。しかし、「儚い」とも書きます。「儚い」はその字の通り、にんべんに夢と書きますので、理解しやすいですね。

 

はかないとは、「つかぬ間のあいだのこの世の出来事」とでもいえばいいでしょうか。この世の出来事はすべてはかないものです。豊臣秀吉の辞世の句でも

 

「露と落ち 露と消えしわが身かな なにわの事も 夢のまた夢」

 

と残された者たちの行く末を案じながらこの世をさったのも、また、はかない。

 

■ 墓ない、、、

ただ、「墓がない」から「はかない」とは、このCMの味噌で、そのような使い方は他ではなされませんが、上手い語呂合わせですね。

 

わたしも、ずいぶん以前のCMであるのに、しっかりとその部分だけは覚えているのは、「成る程」と思わせるからでしょうか。