聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

男はいざという時に役に立てば良い

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大石内蔵助(良雄)

画像出典:Wikipedia


男というものは平時は、どうしようもないような人間であってもいいというは過去も今も将来も変わらい。どうしようもないというのは少し語弊があるかも知れない。

例えば、ボーとしていて何を考えているのかも知れん。酒飲みで、女にだらしない、しゃっきとした身形(みなり)をしている訳でもない、不愛想に無精ひげも伸びている。いかにも見苦しい。家族は、半ば蔑み半ば呆れている。

 

そのようであったとしても、男はここぞという時には、先頭に立って家族や家庭を守る。会社や友人を助ける。そういう事が出来ればそれでいいのです。そこで、思いだすのは「昼行燈(ひるあんどん)と言われた大石内蔵助です。

 

注)昼あんどん

昼間に点灯している行灯のように、うすぼんやりしている状態。 特に、そのようにぼんやりして役に立たない人を形容していう表現。

 

■ 大石内蔵助

あの「忠臣蔵」の立役者である大石内蔵助です。彼は平時は何をやってもダメ男で、酒にまみれ、女性にだらしない人物であったと言われています。しかし、松の廊下での刃傷の以前から、交渉事では唯ならぬ手腕を発揮したともいわれていました。

 

刃傷沙汰後、様々なお家存続のための努力空しく、浅野家お家取り潰しとなり、仇討ちへと進みます。彼が藩士をまとめ上げて討ち入りまで持って行けたのは、いざという時には抜群に切れる頭と度胸と交渉をまとめ上げる才能がありました。

この才能は、生まれつきのものではなく、昼行燈である時から、幕府や浅野藩に対する鋭い観察があったのでありましょう。

 

元々、大石は刃傷沙汰を穏便に済ましたかったのです。しかし、それも叶わず討ち入りを決心したようですが、これには背後に天皇家後押しがあったとされています。

『仇討ちをするなら、協力するよ』

という風に。

それは、討ち入り決行まで進めるにあたり、裏方としての協力があったと言われています。浅野家は天皇家との繋がりが特に強かった。そのため幕府の反感はもともとありました。吉良の内匠頭への嫌がらせもその一環であったようです。

 

たとえ、天皇家の助力があったにせよ、大石内蔵助が最後まで成し遂げたことは、自分の命を引き換えても成し遂げるまでの固い決意があったからで、わたし達もここまで大ごとには対処できないまでも、いざとなれば、どんなことであろうとも対応できる知識と情勢を判断できる見分、度胸を平時から涵養することが大切でありましょう。

 

 

いつでも、死ぬ覚悟が出来ていれば、大抵の事は成し遂げられるものであります。