山よりでっかい猪は出ん
「山よりでっかい猪(しし)は出ん」ということわざがあります。色々な解釈があるようです。
① 目の前にある大きな山=難題を上回るようなそこにすむ猪=山より大きな難題が出るようなことは無い。だから、山に冷静に対処すれば解決は出来る
② 大げささが過ぎるという事のたとえ
③ この世の出来事は、この世ですべて解決する
この三つがその代表的な解釈のようです。わたしは③の「この世の出来事は、この世ですべて解決する」と解していますが。
■ 死んでしまえば
幾ら大きな借金でも、失敗でもあの世に行ってしまえばこの世の人は追いかけては来ません。そういう意味で言えば、この世のことは、この世限りであります。良いことも悪いことも。ただし、だからといって、困難を前に「っさと死ぬこと」を推奨しておりません。
■ あの世まで
ドラマなどでは、この世に受けた恨みつらみを持つ人や貸したお金の未回収の折には、
『あの世に、地獄の果てまでも追いかけて行って、仕返しをしてやる』
とか
『あの世まで取り立ててやる』
などと言う脅し文句が出るのを見ますと、あの世も安住ではないのかも知れない。気が小さいわたしは、死んでからも苦労するのだろうか。などと思うことも、あるにはある。
■ しかし
しかし、何らかの理由で生前に追い立てられる人が、あの世に行って、その被害にあったという報告も研究発表もなされていないのだから、多分あの世にこの世から出向いて仕返しをしたり、資金回収をした人間もされた人もいないでしょう。仕返しにしてもそうであろう。
■ あの世には行くのは49日後
人は死ぬと、「賽(さい)の河原」で初七日から四十九日の間の行をして、閻魔様に川を渡るお金を渡してめでたくあの世に行ける訳だそうです。お金持ちでも、持って行ける金額は、この川を渡るお金のみの所持が許されているだけなので、あの世まで取り立てに行っても貸した金の回収は叶いません。
また、凶器類も持ち込めませんので、もうあきらめるしかありませんね。
■ 死んでも花実は咲かせられない
死んでも花実が咲かないのは、このようにあの世には何もないから。生きているのが花というものです。人を傷つけたり、苦しめたりすることでなければ、失敗や恥など何のその、あらん限りの才能と努力を投じて、この世を大いに楽しみたいものです。