昼日中(ひるひなか)に行きたくはない買い物に妻の要請で出かけることがある。
売場に立ちて見回せば、高齢者の多いこと。皆大抵がスーパーの買い物籠を持って居るけれども、その中は激安と言われるもの、店の安売り商品がいくつか入っているが、ほんの数点である。
激安の商品の前では凄い人垣ができ、我先にと商品に手が伸びる。押し合う人の間から後方の人の手が伸びる。わたし達がそこに加わるには少しの勇気と見栄を捨てる必要があるだろう。食っていくためには、見栄など本当はいらない。見栄を張ったところで、腹は膨れないのだから。
高齢者は気ぜわしく店内を見て回り一段落がつくと、さっさと引き上げる。
『次は○〇だ』
という風に安売りの商品を求めて、はしごをするらしい。年金生活者の動画などは山ほどある。それを見れば、これらの行動は理解できる。年金生活がどれ程厳しいかが分る。入るおカネが厳しければ、出て行くおカネも厳しく成らざるを得ないだろう。
そういう将来がわたしにも来るのかも知れない。そう遠くない先に。