「絵心」とは、
「1.絵に理解とたしなみがあること。」
「2.絵を描こうとする気持ち。」
と辞書にはあります。絵を描くのが下手な人は、才能がないのではなく、「2.絵を描こうととする気持ち」が起きないからであろうと思います。
こんな風な絵を描けたらいいだろうな、と人気の作品などを見ますと思う。が、描けるようになるまでは、多少の努力と期間を要します。大抵の人がそこに至る前に投げ出して、結局元に返ります。
■ ニワトリの足
作家の今東光(こんとうこう・故人)の実弟は学校の成績は抜群に良かったそうです。しかし、絵心はなかったと氏は何かの書物に書いていました。
それは、ざっくりと言えばこのような話でした。大正時代の話であったようです。
ニワトリの写生の授業があった。弟はニワトリの足を4本書いて提出すると、担任が
『足がおかしい』
と絵に書き込んで返した。すると、今氏の実弟は
『何がおかしいのか、解らない』
といったと言います。
■ 絵に興味がない
絵に興味がないから「絵心」がない、このようなことがあってもおかしくはありません。写生の時間にニワトリに足が4本はあり得ないとは思います。指摘されてもおかしいとも思わない。興味がなければそんなものかも知れませんね。
別に「絵心」がなくても問題が生じる訳ではありません。出世が出来なかったり、のけ者にされることもありません。ただ、長い人生にあっては、あった方が何かと、得をしたり役に立つことはあります。ただ、それだけです。