聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

ドローンによる戦争

 

 

画像出典:アムネスティ


戦場での兵士の一番の防御上の弱点は空にあると、ドローン攻撃を受けて逃げ惑うロシア兵を見ていると改めて認識を深めました。それ故、戦場では制空権が無い方が、敗者となるのは間違いないでしょう。

 

■ ネットで戦場の様子を配信するチャンネル

ネット観戦しています。観戦と言っても、サッカーや野球の話ではありません。

それはは、ロシアウクライナの戦争の戦況をウクライナの放送局が流している、いわば戦場の実況中継なのです。わたしは、こうした放送を流す二つのチャンネルを知っています。偶然に見つけたものでした。もっと他にもあるのか、これだけなのかは分からない。

 

無論、わたしはロシアとウクライナの両国の言語を知りません。しかし、ウクライナ側が戦争のシーンやウクライナ兵士の動きを見ておれば、言葉が判らなくても大体理解できます。戦場では戦果は多少の誇大で報じられ、それを担保するために、攻撃破壊のシーンを華々しく動画配信を行うものです。

 

これはウクライナ側が作成した動画の中での光景ですが、反転してロシア側にも同じことが行われているにちがいありません。

 

■ ネットで観戦

中でも、兵士の動きをドローンが見張り、そこに攻撃を加える動画には心が折れます。それを見ているわたし自身の冷酷さにもですが。

ドローンに組まれたカメラと小型の爆弾が、戦車や戦用車両に頭上から破壊する様子、モグラが掘ったかの様な曲がりくねった塹壕の兵士の動きの様子など殆ど滑稽な位に丸見えです。また、木立の茂みに隠れていても同じです。

 

丸見えの兵士に向けてドローンから爆弾の投下が行われ、傷つき倒れる。仲間が駆け寄って、そこから遠ざかろうとするところにも容赦のなく爆撃される。或いは建物の中に逃げ込んでも、その建物の座標位置をドローンが特定して、遠くから高性能の榴弾砲で狙い撃ちになる。

 

それは、まさにテレビゲームかと目を疑う光景です。

 

確かにロシアのウクライナの軍事侵攻はには責められる事ではあります。しかし、それは国家の指導者たちの思惑から出たことで、多くのロシアウクライナの国民は何より平和を願って日々を暮らしているはずです。

 

そうした中で、丸見えな塹壕の中で逃げ惑うロシア兵にも、そこにドローン攻撃を加えて死傷させるウクライナ兵にも相手に対する個人的な恨みはないでしょう。その場にいないロシア兵が非人間的な行為をウクライナ人にしたという情報は、目の前の直接には無いロシア兵に憎しみを持ってしまう。

それなのに相手に死傷させてしまうしかない。相手をやらなきゃこちらがやられる。それが戦争だからかも知れません。

 

しかし、負傷したり武器も捨てて逃げ惑う兵士に容赦のない攻撃は、必ず憎しみの心をしか残らないに違いない。たとえ戦争が近年に終わったとしても、失った人は還らず、傷ついた体が元に戻ることは無いでしょうに。