聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

ウィルスに感染予防より感染治療がより大切

         ウィルスに感染予防より感染治療がより大切

               ~何よりも死者を多く出さないことが重要~

 

望んでなったのではなくても、不注意であったり、不用意、あるいは慢心から新型のコロナウィルスに罹(かか)ることはあります。いずれにしろ、罹ってしまったことに違いはありません。進んで罹ろうとは、まさか誰も思わないでしょうから、感染は大なり小なり何らかの予防はしていての話でしょう。

 

また、この目に見えないウィルスからの感染予防にも、限界があります。マスクをしたり、手をこまめに洗ったり、除菌液で洗ったりしても、ほんの少しの不注意で感染してしまいます。

 

クラスターなどが発生するのを聞くと、もう人と会うのも恐ろしくなります。

 

感染者が増え始めると、これまでのような用心をしても阻止するのがだんだん困難になります。また、自宅で外出を自粛せよといっても、なかなか長期にはフラストレーションが溜まり、続けることが出来なくなります。その例が、下記の昨日(4月2日)の朝鮮日報の記事です。

 

社会的距離確保に疲れた韓国市民…再び混み合うビリヤード場・飲食店

京畿道竜仁市にある韓国有数のテーマパーク「エバーランド」は1日午後、700台収容の駐車場が満車だった。平日にもかかわらず「サファリワールド」などの人気アトラクションは1時間待ちとなった。順番を待つ来場客の間隔を空けるため、地面には黄色い足跡のマークのステッカーが張られていたが、守る人はほとんどいなかった。人が少ないアトラクションでは1人分空けて着席したが、人気アトラクションの「ティーエクスプレス」(ジェットコースターの一種)は密接して座らなければならなかった。

 (引用ここまで 本文は書きのリンクへどうぞ。)尚、朝鮮日報の記事は数日しか掲載されません。

 

 

これは韓国だからという話ではありません。国民の我慢の程度の差こそあれ、日本もいずれはこうなる可能性があります。

 

従って、感染者が出れば軽症の内に治療を始め、早期に回復を目指すということが大切になってきます。しかし、問題はその治療です。

 

新型コロナウィルス用の医薬品がまだないということが最大の問題なのです。

勿論、ワクチンもありません。

 

今、一番有効なものには、日本では富士フィルム傘下の富山化学のアビガンと帝人傘下の帝人ファーマのシクレソニドです。どちらも最後はその人の基礎体力が大きくものをいいそうです。

 

アビガンは新型コロナウィルスのRNAという遺伝子を複製して増殖するのを阻害する薬。ウィルスそのものを、壊したり無くしてしまう薬ではありません。従って、初期症状の人や感染初期段階の人には有効的ですが、新型コロナウィルスのRNAが増殖してしまっている重傷者には、無力です。また、妊婦には奇形児が生まれる可能性があるなど、副作用もあるといわれています。

 

一方シクレソニドは、2007年から気管支喘息治療薬として製造販売している吸入用ステロイド薬。気道の慢性炎症の抑制に効果があるとされていますが、これも新型コロナウィルスによる炎症を抑制するにとどまります。

 

新型コロナの特効薬などが、出来るとしても早くても数年は要するでしょう。動物と人の臨床に時間がかかりますから。しかも、臨床中に重大な、副作用が発見されることもあります。そうなると、治験は中断か中止に追い込まてしまいます。非常に新薬開発は難しいのです。大抵の、新興の製薬会社は赤字続きで何とか生きながらえているのもそれが原因といっても過言ではありません。

 

ワクチンも似たようなものですが、治療薬に比べれば6ヵ月から1年程度で開発が可能です。ワクチンを接種すれば、新型コロナウィルスに感染しないという訳ではありませんが、感染しにくくなり、既存薬でも回復しやすくなることは確かの様です。

 

以上のことを総合すると、罹らない努力も必要ですが、罹ることはやむを得ないとして、早期治療に入ることで、人が死亡しないようにすることが、一番大切なこととえいますね。

 

治療方法ですが、入院させて治療するのであれば病床の確保が必要になります。しかし、感染力が高いため、民間の中規模程度の病院では隔離部屋や防護服、動線の全く重複しない配慮が必要となり、物理的スペースも人員も確保は出来ません。

 

対応としては、

① ホテルを借り上げる。

② 病院を丸ごと専用病院にして、入院患者などを一時的に他の病床に余裕の  ある病院に移動してもらう。

③ 自治体の公的な場所に、仮設の診療所を設ける。

④ 大型の客船を確保する。

⑤ 列車の一部を借り上げて治療室にする。

⑥ 廃校になった校舎そのもの利用の場合は、一時停止して利用する。校庭も  利用する。

⑦ 公団などの公的なマンションなど慢性的に飽き率の多いところを借り上げ  る。

⑧ 自衛隊の施設と医療チームに参加してもらう。

などが考えられます。これらは、あくまで軽症であるが、入院が必要な人に限って進めていけば、退院までサイクルは短くなりますし、重症化して人が死んでしまうということを阻止するには、良いのかも知れません。