聖護院 京極のブログ

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韓国 再感染拡大

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画像出典:朝日新聞デジタル


 ナイトクラブ集団感染 病院や軍などに感染拡大の恐れも=韓国

  2020.05.11 09:58

 

【ソウル聯合ニュース】韓国・ソウルの繁華街、梨泰院のナイトクラブで発生した新型コロナウイルスの集団感染を巡り、韓国国内では感染者が勤務する病院や軍、コールセンターなどでの感染拡大や別の集団感染につながることへの懸念が強まっている。感染者の早期発見が肝要だが、来店者の特定が難航している。関連する感染者は10日午前までで54人で、このうち11人はナイトクラブでの感染者の接触者だ。政府の中央防疫対策本部と各自治体によると、ほかに感染者の家族や知人、職場の同僚などへの感染事例も相次いでいる。

 

 ソウル近郊の京畿道城南市の病院では、同クラブを来店した看護師1人の感染が判明した。この看護師が手術室での業務に携わったことから、病院は手術室を閉鎖し、スタッフ520人全員のウイルス検査を進めている。

 

 国防部直轄のサイバー作戦司令部ではクラブを訪れた所属下士官1人に続き、その接触者の幹部1人と兵士1人の感染が確認された。同司令部は隊員全員を検査している。ほかにも陸軍直轄部隊で大尉1人がクラブ来店後に感染が判明した。

 

 コールセンターに勤める1人もクラブ来店後に陽性と確認された。先にソウル市内のコールセンターでは100人以上の集団感染が起きていたことから、防疫当局はコールセンターでの新たな集団感染の可能性を警戒している。

 

 クラブでの感染者の中には百貨店に勤務する人もいる。また、感染者が密閉空間であるカラオケやインターネットカフェなどを訪れたケースがあることも分かった。

 

 クラブ来店者のほとんどが、行動範囲が広い20~30代で、職場や何らかの集まりで感染を広げる恐れがある。市中感染の拡大につなげないためには感染者を早期に見つけ出さなければならない。しかし大型連休(4月末から5月5日まで)中のクラブ来店者をすべて把握するには限界がある。

 

 ソウル市によると、クラブの最初の感染者が訪れた梨泰院のクラブやバー・居酒屋は5店で、大型連休中の来店者は5517人(重複除く)だった。これら来店者全員に連絡を取ろうとしたが、10日の時点で1982人が電話番号を正しく残していなかったことが分かった。自治体と防疫当局はクレジットカード履歴を追跡したり、来店者自身に申し出るよう促したりしている。

 

 だが、これら5店には性的少数者(LGBT)が頻繁に利用する所も含まれているほか、「社会的距離」確保の措置が取られていた期間にクラブに出掛けたことへの批判もあり、来店者は身元を明かしたがらない雰囲気だ。

引用は韓国聯合ニュース、アドレスは下記のとおりです。全文はこちらでどうぞ。

https://jp.yna.co.kr/view/AJP20200511001000882

 

このニュースを目にして、わたしは何故だかショーン・コネリー主演の映画、『薔薇の名前』を思うかべましたが、全く関係がありません。男色(だんしょく)という点で思い浮かんだだと思います。こういう好みはわたしには全く理解出来ませんが、現実に多くの店が日本にもあるそうですね。女色(じょしょく)というのも相当数。記事中の『性的少数者(LGBT)』とは早く言えば男色のことで、一般的にはゲイと呼ばれています。ゲイとは日本では男色と決めつけがちですが、同性愛者のことなので女色も含まれた言葉です。

 

 

■ 韓国の再感染拡大までの感染状況

韓国の感染のピークは2月初旬でした。日本の感染者が急増し始めた3月下旬には、一日の感染者数が激減しておりました。その後、韓国の国会議員選挙(4月15日)の予定などがありましたので、日本では韓国の政権が意図的に少なく発表しているのではないか、或いは、大統領選終了の5月9日後には感染者急増するのではとの疑う声もありましたが、結局その後も収束歩調は変わらず、4月下旬からは一桁台にまで、収束していました。

 

その場合でも、一桁台の感染は、帰国者があったためだとして、国内感染者は殆ど報告されていないところまで来ていました。大統領は、新コロナウィスを世界に先駆けて「克服」した、公言したものでした。

 

■ 再感染拡大

冒頭の記事にあるように、再感染拡大が始ってしまいました。どうやら、大統領選より少し前の4月下旬には、水面下で感染が実は広がっていたようです。10日夜9時現在で累積感染者が74人に達しています。韓国の防疫当局は、4月下旬まで遡って感染者調査を行うとしていますが、今回の感染者が性的少数者であることや集会の禁止事態にあるにも拘わらず、違反していたことから、聴取には口が重く追跡が難しくしているようです。

 

今回の梨泰院のクラブから発した集団感染でもっとも懸念されるのは、クラブを訪れた人たちが同一集団ではないという点だ。(5月11日、yahoo記事)として、

 

① 遊興施設が宗教施設よりもっと危険な理由の一つは、同じ人が繰り返し集まるのではなく、その度に違う人たちが集まるという点。該当施設に毎回感染した人が訪れていたとすれば、もっと広い範囲に感染が拡大する恐れがある

 

② クラブ訪問者は主に20~30代の若者で他の年代より活動範囲が広いという点も危険要素だ。スポーツジム、軍隊への感染拡大の懸念。

 

③ 初発患者による単一経路ではなく、散発的経路で感染が広がった可能性が高い。

 

などを挙げています。

一説では、感染者の疑いがある人が5,000規模に上るといわれており、韓国の防疫当局が、どのような感染拡大防止方法を打ち出すのか注目されます。

 

 

■ 韓国の防疫手段への批判

 韓国の新コロナ感染者増を防ぐための強硬な手段は、パライバシー侵害と欧米からの批判があります。

 

政府公式会見で言及しているのを見ますと、

『現在、大多数の国民たちは自宅隔離をきちんと守ってくれています。しかし一部で離脱が発生しています。自宅隔離は何よりも感染症拡散を防ぐために最も有効な手段の一つです。

(中略)

しかしこれを守らない場合、予防するための多様な手段を政府の次元で考えていくしかないのも現実です。その中の一つの方法として政府が導入検討の電子リストバンドです。』

 

この電子リストバンドなるものは、GPSの位置情報機能を備えた携帯電話のアプリと連動。携帯電話と一定の距離が離れたり、バンドを傷つけたりすると、管理者に自動的に通知される方式です。すでに導入されています。これは、外国からの入国者が感染した場合にも、使用されているようです。

 

電子リストバンドは、GPSの位置情報機能を備えた携帯電話のアプリと連動。携帯電話と一定の距離が離れたり、バンドを傷つけたりすると、管理者に自動的に通知される方式
電子リストバンドは、GPSの位置情報機能を備えた携帯電話のアプリと連動。携帯電話と一定の距離が離れたり、バンドを傷つけたりすると、管理者に自動的に通知される方式
『韓国のコロナ対策を称える日本に欠ける視点』

韓国のコロナ対策を称える日本に欠ける視点(ニューズウィーク日本版) - Yahoo!ニュース

の一部の抜粋です。

具体例を見てみよう。まず、韓国はマスク不足への対策として1人が1週間に購入できるマスクを2枚ずつと制限した。この規則の運用に用いられたのは「住民登録番号」制度だ。韓国では出生届と同時に13桁の番号が割り振られる。全ての国民に一律に与えられるもので、その番号には生年月日、性別、出生地などの個人情報が含まれている。国民は17歳になると「住民登録証」という身分証の発行を受けるが、この時、全ての指の指紋を登録し、親指の指紋は住民登録証に鮮明に表示される。

この制度は、冷戦が極度の緊張状態にあった1968年、北朝鮮武装ゲリラ部隊による韓国大統領官邸襲撃事件をきっかけに設けられたもので、身分確認と統制が目的だ。導入当初は個人情報の収集やプライバシー侵害を恐れ反対する声も多かったが、明快で便利な身分証明として国民生活に浸透し、冷戦が終結した今もそのまま利用されている。今回のマスク販売の制限においても、購入者が住民登録番号を入力すれば、販売者は瞬時に重複チェックができる。この制度なしに、円滑な販売制限は行えなかっただろう

 

この記事を書いたのは、崔碩栄(チェ・ソギョン)韓国の著作家です。今の強権的な新コロナウィルス感染者の取締りが、たとえ緊急事態だとしても、それが収束してもこの手法のノウハウを手に入れた政権が、同じ手法やデーターで反政府的な批判や行動を密かに取り締まリに利用しないとも限らないことを恐れているのでしょう。

 

その恐れは十分にあります。日本のマスコミは韓国が劇的に感染者を減少させたことだけを取り上げて称賛してはいますが、実態を知れば、その手法が日本にはそぐわないと言い出すことでしょう。日本が新コロナウィルスへの対応に遅れや判断が優柔不断であるには、それなりに守らなければならない事柄や、十分に整備されていない法があるのですね。

 

韓国民は、これらの強行手段に対して何ら意義を唱えていません。むしろこのような力による政治手法を8割の国民が支持していると、報道されたことがありました。

 

2月頃には過半数の国民が政府のやり方に批判的でしたが、その後韓国の感染者が劇的に減少して、その手法が強引なものであっても評価されたのでしょう。

 

■ 今後の展開は?

さて、今回の件で、文大統領の面目は丸つぶれになってしまいましたが、どう立て直すでしょうか。警察と防疫担当者が、個別に訪問して聞き取り調査など徹底的に追跡するようですので、わたしたちが思うより、案外早く収束させることが出来るかも知れません。しかし、更に強まったその強引な方法には、更に国内外からの批判を受けそうです。