メキシコの南部でマグニチュード7.4の地震が起きたのは、2020年6月23日のことでした。新コロナウィスルの感染がメキシコ国内に蔓延している最中(さなか)のことでした。まさに「踏んだり蹴ったり」或いは、「泣きっ面に蜂」「弱り目に祟り目」の災難であろうかと思います。
マグニチュードは震源地そのものの地震のエネルギーの大きさを示すもので、震度は文字通り揺れの大きさを表します。
震度はどれくらいあったのでしょうか?震度に関しては数字がありません。私が見たロイターの現地の動画では、床のタイルの30mm程度の目地が開いたり狭まったりしている様子が記録されていました。およそ震度5前後ではないかと思われます。かなり長いユサユサの横揺れでした。
同国の古い土塗りやレンガ造りの建物には、かなりの被害が出ていますが、わたしの見た動画では完全な倒壊の建物はなさそうです。震源地近くでは病院、沿岸地では200戸以上が損壊したとの報道があります。
また、近代的な病院建築の内部の映像もありましたが、こちらは天井や器具や展示品などの落下もなさそうに見えました。
メキシコ南部でM7.4の大規模地震、死者少なくとも6人
配信 配信 Yahoo 記事元:ロイター
[クルセシータ(メキシコ) 23日 ロイター] - メキシコ南部で23日、マグニチュード(M)7.4の大規模な地震が発生し、少なくとも6人が死亡、重傷者が複数出ている。数百キロ離れた首都メキシコ市も強い揺れに見舞われた。
死者が出ているのは震源に近いオアハカ州。州都オアハカ市と沿岸部を結ぶ山間の道路が落石で遮断され、救助隊員の到着に時間がかかったもよう。山間の村で重傷者が3人でているという。
震源地とされる同州の沿岸都市クルセシータでは、地震から数時間経った後も余震を恐れる住民が家の外で過ごしているとの目撃情報がある。
一帯では約200戸の住宅が損壊したという。 ソーシャルメディアに投稿された動画では、震源近くの村で病院などの建物が大きく損壊している様子が確認できる。
現在判明している被害は、比較的少ないとも言えますが、状況が完全に把握できてはいませんので、もしかするともっと拡大するかもしれません。
地震においては、日本でも他人事ではありません。しかし、本来なら他国に先駆けて日本から救助隊派遣や援助物資が届けられるでしょうが、メキシコは今、コロナの感染が爆発しており、救助隊は同国から要請があれば送るしかありませんが、今回は援助物資の搬送でしょうか。
メキシコにおける新コロナウィルスの感染状況
メキシコは、アメリカの南にあって、アメリカと国境を接しています。
・正式国名は、メキシコ合衆国
・国土は、日本の約5倍
・人口は、約1.2億人
・経済は、アメリカに依存するところが大きい。
20世紀の前半から中盤にかけては石油や銀の産出とその輸出が大きな富をもたらしたものの、それと同時に進んだ近代工業化の過程で莫大な対外負債を抱え、20世紀中盤に工業化には成功したものの、慢性的なインフレと富の一部富裕層への集中、さらには資源価格の暴落による経済危機など、現代に至るまで国民を苦しめる結果となった。(Wikipedia)
特に米国との北部国境地帯の治安悪化はマフィアなどの抗争も相まって顕著だが、首都として人の集まるメキシコシティーや、それ以外の地域においても失業者の増加と社会的・経済的不安定要因が治安情勢の一層の悪化を招いており、強盗、窃盗、誘拐、レイプ、薬物などの犯罪は昼夜を問わず発生している。メキシコでは拳銃の携帯は国防省の許可が必要だが、許可を得ずに拳銃を所持している国民が多く、同国の犯罪のほとんどには拳銃が使用されている(同)
ではメキシコの新コロナウィスルの罹患状況はどんな風になっているのでしょうか?
下の画像で、画像上は日ごとの罹患者の推移、画像下は、日ごとの死者数を示しています。
メキシコは、数日前には、一日の罹患者が6,000人を超える最悪数を記録しましたが、それは今後も塗り替えられそうな感染の広がりがグラフから推定されます。
『専門家からは、検査体制が十分でないことから、感染の実態ははるかに深刻との指摘が出ている。死者数が発表しているより多いと認める当局者も多い。
メキシコの感染対策チームの責任者は、新型コロナとの戦いは長期戦になるとの認識を示し、防疫措置を新常態として適応しなければならないと指摘した。
域内の多くの国が、不十分な医療制度や貧困の問題を抱え、検疫も思うように進まない。域内の主要国であるブラジルとメキシコの指導者は新型コロナの脅威を軽視し、流行が収まらないうちに経済活動を再開させた』(ロイターの別の記事の抜粋)
最後の部分が重要で、「流行が収まらないうちに経済活動を再開させた」のが感染の拡大の原因でしょうが、国の指導者としては、ブラジルと同じで 貧困で死ぬかコロナで死ぬか の択一しかなかったのかも知れません。選択肢は多くないでしょうが、コロナ後に後悔の少ない政策をとって欲しいものです。