聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

五山の送り火とお盆

画像出典:ワールドコーヒー

 

昨日2022年8月16日は、京都では五山の送り火が行われました。8時点火の30分ほど前には、急な激しい雷雨がありましたが、点火の時刻前には止み、予定通りに行われました。

 

五山の送り火は、相当な十数キロ先からもはっきり確認できる程の大きなもので、山の中腹に薪を汲んで一斉に着火します。

 

五山の送り火の詳細については他のネットで詳しいので深く触れません。

 

京都市の中心地よりやや北側にある京都御所を中心に、北側方向に180度の散在する五山に6つの送り火が焚かれます。それは今では風物詩で、マンションの屋上などでは住民に整理券を出して特別に屋上に上がらせて鑑賞させたり、観光客を当て込んだ商売に取り込まれて居たりします。

 

五山の送り火は盆祭りの最終日を告げる行事で、13日に帰って来た死者の霊を浄土へと送る灯です。

死者の霊は8月13日には、川から死者の霊はそれぞれの家へと戻るとされていますね。川は三途の川につながっているとされるのでしょうか。

 

■ お盆

わたしが少年の頃には、盆の期間は、川遊びは勿論、魚を釣ることもわたし達の村では禁じられていました。死者の霊が戻って来られる水を汚すなと言うことであったのでしょう。それに反して川遊びをすると、死者の霊が水中にその者を引き込むと脅されたりもしました。

 

それでわたし達は、恐ろしくて川に近づくこともありませんでした。

 

川からそれぞれに家に帰って来る死者の霊が、帰る家を間違わないように、夕方前には提灯を軒先に吊るしました。何故か夕方に返って来るようです。

 

この辺は何とも現世的な考えだなと今でも思います。帰って来た死者の霊は、お盆と言う期間に今を生きる現世の人と邂逅して、喜び、安らぎ16日の夜には、精霊流しの案内の灯と共にまた浄土に戻って行くのだそうです。

何だか嬉しくもあり、薄気味悪くもありですが、人がいま生きているのは先祖の霊によって守られているからだと、考えてもいいかも知れませんね。