視力が落ち始めたのは、小学高学年ころの事で、教室の黒板の字が最前席辺りでないとはっきり認識できない字が出てきました。それには教師の字も上手いヘタも手伝っていたのかも知れません。学業はすこぶる低調であったのは、視力の悪さのせいであるとわたしは家族に詭弁を主張していました。
中学に入ってやっと黒縁のメガネを買って貰った。それで非常に見える様にはなったのですが、その後の学業は殆ど底這いで向上しないまま成人して、働くころにはメガネからコンタクトレンズに替えてしました。その頃のコンタクトの価格は使用し始めた頃は両眼セットで3万円はしたと記憶しています。今では考えられない高価格です。
コンタクトレンズに変更した理由は、メガネ男より、メガネなし男の方がきっと持てるだろうと思ったのです。当時の社会の風潮でも、メガネを掛けている男は女性にモテない風潮もありましたから。事実、有名人でも意識的に掛けて自己PRをする以外には、通常ではやはりコンタクトでしょうか。やっぱりメガネを掛けていていい感じの俳優や女優は限れています。
わたしの場合、メガネをしなければアイドル並みのハンサム(多分に自賛)でありましたから。メガネからコンタクトに替えたらきっとモテると浅はかにも考えたのでした。
それだけでなく、メガネを掛けていると何かと不便です。暑い時には鼻の汗でメガネがずり落ちますし、たとえそうでなくとも適宜メガネをずり上げる事もしなければなりません。これは結構面倒、冬などでは。
冬にはマスクにメガネでは息でレンズがくもります。
メガネの鼻に当る部分には跡が付いて型になり容易には解消されません。有名な時代劇俳優が時代劇の中で、顔のクローズアップになった時、メガネの後が鼻に残っていて興ざめしたものです。
更には気のせいか、何だか目自体も細くなった気がします。
メガネを掛けていて良いことは、新型コロナウィルスの飛沫を直接受けないとやラーメンなどの汁が目にかからない、コンタクトレンズの様な日常の面倒がないことくらいです。
で、そこまでメガネを貶(けな)してコンタクトに替えたら、モテたのか?
いいえ、それはありません。少しも変りなくモテませんでした。
周囲の人は、
『へえ、メガネ辞めたんだ』
とか
『メガネよりはその方がいいかも』
位でした。周りの女子もこの反応は殆ど同じでした。陰で絶賛してくれた様子もありません。やはり、モテるモテないは、その人の様々な意味での魅力であろうかと思います。今は、メガネでコンタクトは持っていませんし、持とうとも思いません。