近所に父子家庭がある。母親は10年程前に他界している。
死因は癌だったが、小学生の女の子にはどんなにか無念な想いを残して旅立ったことだろう。
子は女子二人。今、二人は最近家から勤めに出るようになった。下の子は反抗期には一時期グレそうになって他家のことながら心配した。
しかし、父親が身を粉にして運送業で働いて育てて呉れた事を知らない筈はなかった。結局ほんの一時期でごく普通の子に戻った。親が誠実に一生懸命に働き育てて呉れるなら、子はそれが判るというものだから。
それに昔から言うではないか、
家貧しくして孝子顕る(いえまずしくして こうしあらわる)
と。
*1:家が貧乏であると、子供も家計を助けて働かねばならず、そうした善行を通じて孝行な子が育つことをいう。