聖護院 京極のブログ

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日本EEZでコバルトやニッケル採掘に成功(南鳥島)

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画像出典:JAMSTEC

 

南鳥島(東京都小笠原村)に中国は、排他経済水域に出没することがあります。中国は調査船をだして、この島の付近の資源探査を行って、日本政府が抗議を行うこともたびたび最近はあります。中国は、この海域にレアメタルなどのコバルトや希少金属が海底に眠っていることに注目して、調査を行ったりしているわけです。

 

ここに眠るレアアースは、事前の調査で、レアアースの中でも希少価値の高い「ジスプロシウム」については、中国の30倍を超えていますし、少なくとも現金に換算して200兆円以上との試算もなされています。

 

 

■ 海底にレアメタルの宝庫

南鳥島は付近の海底には、豊富な海底資源が確認されており、日本が中国に依存するレアメタルも大量に眠っているといわれてきました。海底だけに、眠れる資源をどのように採掘するかは、なかなか技術的に困難なところです。また、環境破壊に至らないように行うことも求められています。

 

この海域に眠るレアメタルは記事にもあるように膨大です。リチウムイオン電池に不可欠なレアメタル希少金属)で、中国依存度が高く、国産化が課題となってきました。それが実際に採掘できたのです。中国が、この海域を勝手に調査するに訳は、この中国が寡占するレアメタルの地位が揺らぐことへの危機感に他なりません。

 

■ リチウムイオン電池がいつまで

ただ、リチウムイオン電池が、いつまで利用されるかは不明です。何しろ、常に利用を制御しなければ、爆発や火災の危険性があります。今のところ、これに代わる有力な二次電池は開発されていません。新しい二次電池の芽が出ていますが、同電池に勝るにはまだまだ課題が残されています。

 

■ レアメタルはこれからも需要増加

高性能な次世代のモーターとか電子機器には、レアメタルは欠かせない存在ですので、5Gなどを見据えると、利用増加の一方です。中国は全世界の利用の97%を生産し、日本は92%を中国に依存しています。

 

そこを中国に仕切られていては、アメリカですら、発展に支障が出てきます。世界の安定的配分が絶対に必要なのです。

 

■ レアメタルは中国以外でも埋蔵

レアメタルは、中国以外にも地球のあちこちの国で埋蔵が確認されています。しかし、中国が世界の産出の97%も寡占しているのは、その生産コストが非常に安いからにほかなりません。アメリカでも鉱山があります。しかし、中国製品に押されて産出は早くから中止に追い込まれています。産業では、コストが最も競争力にモノを言います。

 

 

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南鳥島全景

日本EEZでコバルトやニッケル採掘に成功…リチウム電池に不可欠なレアメタル

配信     読売新聞on-line

石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は21日、日本の排他的経済水域EEZ)でコバルトやニッケルを含む鉱物の採掘に成功したと発表した。リチウムイオン電池に不可欠なレアメタル希少金属)で、中国依存度が高く、国産化が課題となってきた。

 

 採掘場所は、南鳥島南方沖の海底約900メートル。7月に経済産業省の委託事業として、レアメタルを含む鉱物「コバルトリッチクラスト」を約650キロ・グラム掘削した。JOGMECの調査では、同海域には、年間の国内消費量でコバルトは約88年分、ニッケルは約12年分あるという。

 

 コバルトやニッケルは、電気自動車などに使うリチウムイオン電池に不可欠な材料だ。希少性が高く、日本は国内消費量のほぼ全てを輸入に頼っている。超高速の通信規格「5G」時代を迎えて、通信機器への活用も急増し、世界的に取引価格が上昇している。

 

 国産化は国内産業の競争力強化にもつながる。経産省は「掘削成功は、レアメタル国産化に向けた大きな一歩」とし、量産に向けて掘削技術の検証などを進める方針だ。

(全文を引用)

 

 

 

日本の鳥島付近からのレアメタルの生産が商業化を進めると、中国の妨害も予想されます。何しろほかにも、熱水鉱床、メタンハイドレートやコバルトリッチなどの有用資源が日本近海には眠っており、日本が殆どの資源を外国に頼っているこれまでの構図は、書き換えられる可能性もあります。