聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

茨城県五浦に幻の巨大油ガス田

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画像出典:北海道大学

 

石油の輸入の割合では、日本はほぼ100%です。正しくは、99.7%で100%ではありません。

では、残りの0.3%は日本のどこで生産があるのでしょうか?それは、新潟、秋田、山形、北海道です。

 

日本の原油を精製すれば、1台50㍑給油できるとして、約298万台が可能だそうです。日本の原油生産は年により生産量は増減しますが、4-5年を周期におおよそ50万㍑から100万㍑の間を波打つように上下しています。

 

原油は、これ以上採掘増大は期待できそうにはありませんが、日本の排他的経済水域には数百年は現状と同じ使用をしても持つ、というメタンがあります。これはシャーベット状にメタンが変化して海底にありますが、取り出すとしても深海であり、容易ではありません。

 

試掘には成功していますが、商業ベースでは、見通しは立っていません。今の所「宝の持ち腐れ」状態にあります。

 

そういう中で、最近新しく巨大な「油ガス田」の国内埋蔵の可能性が発表されました。「油ガス田」というのは聞き慣れない言葉ですが、辞書によりますと

 
油ガスとは
原油、または重油・ナフサなどを熱分解して得られるガス。都市ガスに用いる。油ガス。石油ガス。

 

となります。

油ガスも天然ガスと同じ成分のようです。現在、茨城県五浦(下記画像)というところにある露出している部分は600万m3で、地層は海底からメタンガスが大気中に放出される段階で石のようになった部分だそうです。その規模から、これまでに大気中に放出されてしまったメタンは、73億m3と巨大なガス田並みの量となると推定されるようです。

 

下記画像の五浦は、岡倉天心の「六角堂」(再建されたもの)があるところで、記念館もあります。岡倉天心が愛した土地で、風光明媚な観光地です。

 

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画像出典:Googlemap 赤いマーカーは筆者

 

その地の沖合には、下記の引用に出てくる、巨大油ガス田があると推定されました。

天然ガスと同じ採掘ができるのか、ガス田の下に原油がどれだけあるのかは今後の調査をしないとわからないようです。今回、石油天然ガス・金属鉱物資源機構が調査を行うとのことなので、期待したいですね。

 

海底も100-500mと比較的浅いのも採掘には有利でしょう。

 

 

茨城県五浦に幻の巨大油ガス田

天然ガスが築いた世界最大級の層状炭酸塩コンクリーション~

ポイント

●世界最大級の層状炭酸塩コンクリーションの起源と成因を解明。
●巨大油ガス田から流出した天然ガスが莫大な炭酸塩コンクリーションを形成。
まぼろしの五浦巨大油ガス田発見。茨城沖での今後の地下資源探査の進展に期待。

現存する五浦炭酸塩コンクリーションを形成する炭酸塩の体積は少なくとも 600万m 3 以上あります。この炭酸塩炭素のほとんどが天然ガスに由来しており,約 73 億 m 3 以上のメタンガスが変化して形成 されたものです。

 

風化侵食によって既に消失した炭酸塩が大量にあるので,実際にはさらに多くの炭酸塩コンクリーションが形成されており,また,海底に湧出した天然ガスの一部だけが炭酸塩を形成するので,実際に油ガス田から流失した天然ガス量は 73 億 m 3 よりもはるかに大量であったと考えられ ます。これは五浦地域に巨大ガス田に匹敵する大規模な油ガス田が存在していたことを示しています。

 

このように長期間にわたる天然ガスの海底湧出によって形成された大規模な炭酸塩コンクリーションはこれまで報告されておらず,五浦炭酸塩コンクリーションは世界最大級のものです。幻の「五浦油 ガス田」は日本ではこれまで知られていなかった新しいタイプのもののため,茨城県沖の石油天然ガス資源ポテンシャルが一挙に高まりました。

 

2019 年度より日本の新しい三次元物理探査船「たんさ」 (石油天然ガス・金属鉱物資源機構)が日本周辺海域の地下資源探査に携わっています。茨城県沖も
重要な調査対象海域とされており,今後の進展が期待されます。

 

すぐに天然ガス原油を買わなくてもいいようになるわけではありません。しかし、実際に膨大な量が埋蔵されているのなら、子どもたちの時代が、豊かなものになるかもしれず、期待したいですね。

 

深海でのメタンの採掘が進まないのは、外国から安く買えること、輸入業者の海外での利権があることなど、それを上回るメリットがなければ、開発はなかなか進まないでしょう。

しかし、遠い将来に外国から容易に安く買えなくなることがある場合、日本は自前の採掘を目指すしかなく、その時、慌てなくても良いように、政府主導で開発を進めて欲しいですね。