最近の小学生って実にしっかりしていますね。わたしの頃とは雲泥の差があります。
何かのテレビを見ていて思わず、
『フーン、しっかりしたこと言うなあ』
と声を上げてしまいました。
それはどこかの新しくできた公共の施設であったかと思います。それ程日が経過しているわけではありませんが、記憶は足早に消えかかっています。
先生の引率(いんそつ)で小学生の一団が、施設の人の案内で行儀よく見学して回っているようでした。見学をし終えた小学生に、テレビがインタビューをするところに来ました。
『見てきた施設を見てどう思いましたか』
とマイクが差し出されると、
『今まで、ぼくたちの出したゴミが、こんなにたくさんの人によって処理されているのに、驚きました』
すると、その発言を補足するように、別の小学生が横から
『ごみを出来るだけ出さないようにした方が良いと思います』
『うん、うん。そうおもいます~』
テレビを見ていたわたしは、
『へえー』
本当に自分が得心しての回答であるのか、模範解答を心得ているのか、それは不明です。しかし、このインタビューに限らず、テレビで見かける最近の小学生へのそれでは、大抵が、大人顔負けの答えをします。
どういう風に、答えるべきかを心得ているといっても、いいのかも知れません。しかし何か、どこかに多少の違和感は残っていまうのですが。
■ 顧(かえり)みれば
顧みれ小学生の頃のわたしなら、もしこのようなインタビューでマイクが差し出されれば、おそらくどこかに逃げて行ったでしょう。それでも答えなければならなかったら、こう言ったことでしょう。
『今まで見学してどうでしたか?』
『わからへん』
すると
『君はどう』
『わからん』
とへらへらとたらい回しに口々に答えたと思います。
わたしたちの時代にもしっかり者は、数少なくはあるもののいました。テレビにインタビューされる機会は殆どありませんでしたから、これは推測ですが、おそらくは、テレビ局が求めているような回答を、当時の小学生には不可能だった気がします。
■ 下校の小学生会話
下校途中の小学生の会話を、聞くともなしに聞くことが稀にあります。姿を見ないままで聞いているので、何年生の会話なのかはよく分かりません。声の音程から4-5年生位と思われました。
こういう学校以外のごく個人的な会話であっても、わたしたちの時代とは大違いです。
『あのなあ、今度、年賀状かくさかい。住所教えてくでー』
と、ふざけ口調に一人がいいますと、
『うーん。ありがたいんやが、そういう個人情報は教えられないな』
ですって。
もちろん、冗談ではあるのでしょう。でも、個人情報ということばが出るのが驚きです。家庭でも話が出るのでしょうか。それとも、学校の教えなのでしょうか。個人情報は教えてはいけない、そういう会話を小学生がするのです。
わたしは、このやり取りを聞いていて思わず、ニヤリ。