私見ではありますが、酒癖の悪ひとにはいろんなタイプがあって、
① 急に怒り出す人 ② 泣き出す人 ③ 同じことを何度も言う人
④ 仕事の話をする人
などがいます。
そういう人のそばに居たくないのは人情だから、彼の両端や前には誰も座りたがらない。従って、大人数の会食の席などで、どこに座るかを決めるのは酒癖の悪い人の位置を確認してからになります。
更に酒癖とは関係ないが、会社の数ランク上の上司なども、これに準ずる。
■ どこに彼は
酒癖の悪い人のそばは、おそらく上司の横に座るよりも運が悪いでしょう。上司といっても、二つ三つ上であって、日々指導を授けてくれるような、こちらから引っ付きたいような人ではありません。
しかし、人となりを知らずに座った人、あるいは遅れてきた人は、その人の左右か前後のどれかしか、空いていないというような不運な人になってしまうことも少なくない。遅れてきた理由のいかんに拘わらず、事実はそのように不都合になります。
■ 本人
酒癖の悪い人は、面と向かってそれを非難されることは稀ですから、それが改善したり止んでしまうことはまずありえません。それに、本人もそういう場面を覚えているものかどうかも怪しい。それだから、
『だれだれ君、こっちに来たらどう?』
などと、空いてる自分の席を指さして、迷惑もお構いなしに指名したりする。
『あ、ありがとうございます。ちょっとお恐れ多いので』
などと言い訳をして、むしろ離れて座ろうと試みます。
しかし、酒癖の悪い人も、その時には酔ってはいないので、断固断ることも出来ません。困惑しますね。本人は、自分が敬遠されているとは少しも考えていない節があります。
■ いつ何時
一方で酒癖の悪い人の周りの人は、口にも表情にも厭な気持は出さず覚悟をしてにこやかに乾杯などが出来る出来た人がいます。酒癖の悪い人も、酔うまでは、ごく普通であったり、逆に借りてきた猫のようにおとなしい人であったりすることが、殆どであるからです。
彼が、いつ何時にトラに変身してしまうのかを察知して、他の宴席へと移動するようにすれば、被害はないか少ないと思うのは誰しもで、危険を感じるとビール瓶や徳利を片手に去って行くのは止む得ないでしょう。
『いつも世話になっているし、ちょっとお礼の一杯を上げて来よう』
とか
『暇そうだから』
とか聞えよがしに、聞かれもしないのにひとり言を口にしたしてしまうものです。
■ 気が付けば
気が付けば、彼の周りには言いようのない空席が広がっており、そこにつくねんと座していて、何やら辺りを見回してぶつぶつ言うこともあれば、
『おい、君ちょっと来て飲まないか』
などの声を掛けたりします。掛けられた方も無視も出来ず、一度は前に座るが、何かの拍子で違う集まりが盛り上がったりすると、それを機にさっといなくなる。
■ 酒の席で普段が知れる
宴もたけなわになると、もともと居た場所で飲んでいる人は、かなり少なくなり、気の合いそうな人の処に自然と集まってしまうので、普段の付き合いや、気の合いようがわかります。
わたしの場合は、やたら陽気になって、騒がしく、酔いが回ってやがて人事不省(じんじふせい)に落ちることに
なることが多いので、敬遠されることが多いのは残念だが、もっともでもある。