聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

ハンカチで洟(はな)をかむ

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画像出典:かわむら耳鼻咽喉科

 

古いのヨーロッパの映画などを見ていますと、女性が感激したり、悲嘆したりして号泣する場面を見かけることがあります。

女性がハンカチを持ち合わせていない筈はないと思われるけれでも、出している暇がない突然の落涙にあれば、そばの男どもの誰かが自分のハンカチを差し出すのは、当然でしょう。且つまたそれを半ば当然のように受け取って、涙を拭くシーンもなかなか西洋らしい。

 

多分男は、そういう時のためにもハンカチを持ち歩いている必要があるのかも知れないなと、今でも思う。

 

■ 涙と鼻水

映画の中の女性が、感極まり涙が留まるところを知らない程になると、人間の目と鼻の構造上、溢れる涙が頬を伝わる以外にも鼻にも通じて、鼻水として溢れるということは、洋の東西を問いません。

 

それを日本人なら、すすり上げるかそれでなければ、洟紙を出して鼻をかむか吸収させるのが一般的でしょう。もちろん涙を拭いたハンカチで、出かかっている鼻水をそっと拭く程度のことはあるにしても、そのハンカチをもってして

 

『気を落とさないでね。強く生きるのですよ。(チーン)』

という風に近くの男性から差し出されたハンカチで洟をかむ、などと言うシーンは、何だか淑女らしい西洋の女性であってもいただけない。まして、誰かが差し出してくれたハンカチをそのようしては、最早返して貰いたくもないし、返せないものとなるでしょう。

 

■ そのハンカチ

その女性はくしゃくしゃになったハンカチを、暫くは込み上げる嗚咽による涙が出るかも知れないので握り締めてはいますが、落ち着くとポケットやカバンの中に放り込んだりします。

 

『おいおい、そのハンカチはどうするんだ?洗ってまた使うのかな。それとも新品をお返しするのだろうか』

などと考えてとても気になる。

 

映画のストーリーよりわたしは、そのハンカチのその後の運命の方が気になります。変な人でしょうか?わたしって。