人の体は、それぞれに違いますが、わたしの体はちょっと変わったところがあります。とはいっても、左手と右手が入れ替わっているというような奇妙なことではありません。
■ Tシャツの襟
Tシャツの襟周りは、他の部分とは違って折り返しなどが有って、幾らかの幅で厚くなっています。首回りの補強という意味合いが一番濃いと思われます。その首回りの補強部分が、着ているうちに内側に丸まってしまうのが、わたしの体のなせる技なのです。
技と言えば聞こえがいいのですが、何故か首の周りのTシャツの端部がそのようにいつの間にか丸くなって、以降は全く戻らなくなるのです。どういう過程があってそうなるのかは、本人であるわたしにも分かりません。いつの間にか丸くなっているのです。
このロール状態は一本の煙草と同等の半径で、巻いたようになって内側に入り込んでしまうのです。これには、妻も呆れて、
『どうしたら、そんな風になる?』
とか
『この間使い始めたばかりなのに』
と半ばあきれ、半ば怒りの含んだ言葉を投げ付けられる。しかし、わたしは故意にしているのではないと、弁解しますが、怪しんでおります。わたしには、一体何が原因なのか全くのところ知れない。
わたしの首の付近が特別な痙攣のような筋肉の動きもなければ、皮膚が巻き込む仕草もありません。それは全くいつの間にかなのです。奇妙な「着相(きぞう)」ともいうべき人体の謎です。
■ 寝ている時
次は寝ている時のことです。
夏布団など、比較的軽い着布団を一枚被って寝るとしましょう。そして、目が覚めると着布団が裏返てえいるのです。半分がねじれるように返っているのではなく、元々裏返しに被って寝た掛け布団のように綺麗に内外がひっくり返っている「寝相」です。
これもわたしの体のなせる技です。
しかも、わたしが眠っている時の事なのでその理由がまるで見当がつかない。それで、確認のために寝る時に裏返しのままの掛け布団を被って寝ました。普段は上にあるのが体にあたるというのは、違和感がありますね。
それで、目が覚めた時、ちゃんと裏返しになっておりました。つまり、ごく普通ような被り方になっていました。これもどういう過程でそうなったのか見当もつきません。
そういう不思議な事ってありませんでしょうか?