聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

韓国の通貨危機の一因

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画像:韓国銀行(韓国中央銀行



 

韓国の通貨であるウォンがドルに対して通貨危機が叫ばれる水準まで安くなってきました。通貨危機の目途であるのは1ドル=1200ウォンと呼ばれています。現状は1ドル=1196ウォンで2021年10月8日(土曜日の最終値)で引けました。ウォン安が進むと国債を買ってくれた外国へのドル建て返済が厳しくなります。

 

ここまで安くなると、確かに通貨危機が叫ばれてもおかしくはないのです。一体どうなることでしょうか。成る程ウォン安なら、輸出は拡大します。しかし、同時に輸入も高くつくので、その差の利益はほとんど変わらないのです。

 

 

韓国は典型的な輸入→加工→輸出の加工貿易国で、輸入品に加工をして僅かな利益を掬い取ることで国を維持しています。日本も同じように加工貿易国ですが、利益が韓国よりずーと厚いのです。

 

その差は、技術の差と言っていいと思います。

 

 

■ 貯蓄をしない国民性

また、韓国民は日本人のように何かというと貯蓄をする国柄ではありません。不動産投資や株式投資、仮想通貨通しなどに全力を注いでいます。それは、理解できなくもありません。致し方ありません。大学を卒業しても、67%程度の新卒しか就職出来ないのですから。しかも、やっと就職しても一年過ぎには、5人に1人が離職しています。

 

 

■ 韓国の通貨危機の一因

韓国の通貨危機の原因は、いろいろあるでしょうが、わたしは最も大きいものの一つは、韓国民の貯蓄の少なさです。日本国民のように暇さえあれば貯金をするという国民柄ではありません。

 

大学卒業して就職するために多大なお金をかけても、67%しか就職できなければ、大きな負債が家計に残ります。子に投資したお金の回収が出来なくなることを意味します。従って、不動産投資や誰にでも始められる株式投資やFX、仮想通貨と言った、起死回生も夢ではないと思われるモノへの投資、投機へと向かいます。

 

うまく行けば、確かに挽回も可能です。しかし、その世界は「生き馬の目を抜く」で、プロ集団も金に潤沢な仕手集団も手ぐすねを引いて、素人の懐を狙っている世界でもあります。「けつの毛まで抜かれる」事も少ない無いでしょう。

 

 

■ お金を借りてまでやることではない

不動産投資は、まあローンを組むのが一般的ですがそれ以外はお金を借りてまでやることではありません。しかし、韓国民の多くはお金を借りてまで投資や投機に入れ込んでいます。それが、何と個人負債額がGDPの年間額を7%超えています。これを解消するのは、どんな手腕の政治家でも無理でありましょう。

 

 

■ 国内に国債を消化できる余力がない

これでは、韓国政府が国債を発行しても国民がそれを買うだけの貯蓄がないのですから、どうしても外国勢に買って貰うしかお金の調達が出来ません。

 

従って、今般のようにアメリカがドルの量的緩和を止め、利上げを決定しますと、韓国のドルだて国債というやや危ない債券を持つより、実物のドルを持つ方がはるかに安全であると考えるのは当然です。

韓国中央銀行は10月15日、国会で、11月25日の金融政策決定会合政策金利を引き上げる可能性があると述べた。

 

韓国政府は、この前の8月にも利上げを行いました。それは、韓国ウォンの値下がりを防ぐ目的があるからで、本当はしたくはないのです。むしろ利下げしたいくらいなのですが、韓国からドルが出て行くのを引き留めるためには、金利という旨味がなければなりません。

 

利上げをすれば、国内企業に打撃が出ます。国内でお金を借りている個人にしわ寄せが来ます。かなり苦しい経済運営でしょうが、日本には不義理をしていて助けを求める訳にも行かず、殆ど同格国家にスワップを依頼していますが、それらの国から逆にスワップを使われることもあるでしょう。

 

通貨危機からデフォルトに行く可能性は、日々高まっていますが、まだ日本に不義理を謝り、国際条約保護を撤回するまでには至っていないところから、まだ何とか乗り切れると文政権は考えているのでありましょう。