円高はまた来る
日本政府が9月22、米国債を売りました。
1ドル=約77円の時代に買った国債を1ドル=145円で売ったのですから、殆どぼろ儲けです。そのお金は財務省に入るのですが、ケチな財務省が円高で苦しむ国民の為に使ってくれるようになるかは、岸田首相の政治手腕ですが、どうなるでしょうか?
1ドル=77円と言うのは、円高で国内が大騒ぎの時でした。輸出産業が崩壊するなどと極論も飛び出し、政府が円売りドル買いをしたのです。その後円高が落ち着いてからは、新規にアメリカの国債は買わず、期日が到来したものからは、気の遠くなるような自然減になっておりました。
そのお金が、巨額にたまったままで今日では、まるで逆のドル売り円買いとなったのは何とも、時代は変わったものです。
政府は、また介入を示唆しておりますので、1ドル=145円を超えると売るでしょう。今のドル円相場と言うのは、要するに単なる投機筋が、行っていることですので、確かに金利差は日米でありますが、それが名目の投機が主因の事で、迷惑千万です。
米国債は、外貨準備の一つでもあるので、全部を売ることはありませんが、日本が外貨準備を使うことは、まずあり得ません。企業は元気そのものですし、財政も健全です。少なくとも、半分以下でもいいと思います。何しろ、通貨危機が来てもアメリカやEUと無限のスワップを汲んでいますので。
■ 円高ドル安はまた来る
現状の円安は、何れは納まります。それは、アメリカの利上げが終わる見通しが立った時で、その後は次第に円高に向かいます。アメリカも、余りにもインフレ退治に力を入れすぎると、バブルが崩壊した時の様に深刻な景気後退を招きかねません。
利上げを止めるタイミングが非常に難しいでしょう。インフレも加速がついているのですが、実際には勢いが付いているだけの可能性もあるので、インフレ進行が止まらないようでも、実際は経済の減速は始まっていて、高金利を止めた頃にはかなりのデフレに入る可能性もあります。
そうなると、ドル高円安は逆転し始めることになります。国際商品価格が高騰していますので直ぐにそうはなりませんが、それはロシアウクライナ戦争の終結で決まるでしょう。アメリカの国債をもっともっと減らしておいて良いでしょう。あんまり価値のある国債ではありません。利上げが止まるとドンドン価値は落ちて行きます。
日本以外は利上げをし続けていますので、この戦争が終わると世界中の国が景気後退が一段と進んで、少なくとも5年以上は元に戻らないでしょう。深刻なデフレ入りです。
今の日銀のやっている量的緩和は、正しい行動でしょう。時の政府の経済政策は頓挫していますが、日銀はやるべきことをやっています。
その時初めて、評価されることです。