指に潤いがないと困る事
指に潤いがないと、日常生活で困ることは少なくありません。歳をとると、手のひらに潤いが無くなるのは、誰もが経験するところです。歳をとった人の手の平は張りがなくカサカサしていてます。それは、熟柿(じゅくし)が食べごろを逸した時のようです。
現在の様な新型の感染症があると、手の消毒にエタノールを使いますと、手の潤いは即座に失われてしまいます。手の平の脱脂をしているからで、これは年齢に関係なく脱脂されるので、手の平がカサカサになってしまう訳です。
しかし、若い人はそこからの復元力がありますので、暫くすれば元に戻りますが、歳よりは回復は緩慢です。
手消毒は年寄りのカサカサの手の平に追い打ちをかけるようなものです。年寄りの人の手を見ますと、指紋が薄くなっていますね。それで、スマホの指紋認証がまるで取り合ってくれないことも。
■ 重なった紙が分けられない
能書(のうがき)が長くなりましたが、歳をとると手指に潤いが無くなり、重なった紙を分けることが非常に困難になります。重なった部分を開けようと、親指と人差し指とで挟んだ紙は摩擦がほぼ皆無。右手左手交互にやっても合わさった新聞紙は開きません。恐らく静電気も加わっているのでしょう。
唾を付けたら良いのだけれど、新感染症も気になるからやりたくはありません。それにじじむさい。そこで、何とか新聞紙を指で開けようとする。
親指が分けに入るのですが、指は合わさった紙の前にワナワナと震えて右に押しても左にしても開きそうにありません。腹が立つから一部をくしゃくしゃにしてもいいとは思うものの、それでは結局、情けない解決でしかなく無性に腹立たしさだけが残される。
それらを何回かすると、今度は失望感が湧いてきます。紙の端のかすかなずれに付け込んで、二つに分けようとしますが、上手く行かない。見えているのにそれがうまく行かないことに腹も立ってくる。
『クソ、えーい、クソ』
小さく呻きます。もう紙を引き裂いてしまいたい衝動を押されるのに精一杯になって来る。ちょっとした隙間に息を吹きかけて見ました。
ちょっと二つの紙が開きます。
それを即座に掴もうとしますがうまく行きません。何度かやってようように成功しました。
『やれやれ』
ですが、その開いたページに大した記事は乗っていない時の白けの様子は盗み見していても本当に気の毒です。事務用の水を含ませたスポンジ商品でよく見かける「指濡らし」など用意したらよいのかも。いろんな事務用品メーカーから出ています。
ちょっと笑えるのにプラスという文具メーカーの「メクール」などいかがでしょうか。