わたしの父は、芋などを食べると、しきりに『胸が焼ける』と言っておりました。わたしは、子供ながらにその言葉を理解しようとしていましたが、相当な大人になるまで知らず仕舞いでした。が、それは、腸は弱いものの胃は非常に丈夫だったことから、胸やけを体感することが殆ど無かったからなのです。
ところが、30歳代半ばになると流石に、胸焼けとはこの事かと分かることが増えて来て、また、父がその時に家にあった「炭酸の白い粉」をスプーンにすくって粉薬の様にして飲むのを見かけたことがありました。それを飲むと、間もなく
『ゲフッ』
とゲップを出すと、胸焼けがすっと治まるらしく、それが不思議でもありました。
余談ながら、何故炭酸が我家にあったか?と言えば、祖母が良く饅頭などを作ることがあり、「膨(ふ)らし粉」として使っていたからでした。
■ 胸焼けの時に「炭酸」
わたしは、父の炭酸を飲む様子を覚えていて、脂っこい物を食べた後に胸焼けを起こして炭酸を飲んでみたことがあります。小さいスプーンの先の方にほんの少しビニールの袋からすくい出しました。なんだか本当に胸焼けに効くのか半信半疑で、躊躇しもしました。
しかし、父が炭酸を飲んだ後のケロリとした顔を思い出しますと、よもや死ぬこともあるまいと思い一気に服用してみました。父と同様に粉薬を飲む要領です。
■ 炭酸はよく効く
炭酸を飲んで間もなくして、ゲップが出て胸焼けは少し良くなりました。服用する量が少なかったのか、完全に治まった訳ではないものの、食道辺りの焼けつくような痛みはなくなりました。その後に体調が悪くなるなどの変化もありません。
「炭酸」を「重曹」などともいいます。重曹だと何だか汚れ落しのイメージですが、炭酸なら親しみが湧きますね。
まあ、飲まないに越したことはありませんが、年末年始の胸焼けには応急的に非常に効果的なモノです。勿論、炭酸飲料でもいいのですが、あくまで応急的で少量で効くのがよい。凡そ100円程度で箱入り、我家の常備薬です。