聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

和服の左前は何故ダメなのか

 

画像出典:京都きものレンタル


引き違い戸の前に立つとき、右手方向にある戸は常に手前側にあります。また、和服を着た人の正面に立った時も和服の重ねは向かって右側が手前(上に)に来るように着ます。

 

これは日本でのしきたりであり、常識です。

 

逆にする時は、死んだ人が死に装束を着る時です。向かって左側が手前(上に)に来るように着ます。

 

■ 左前(ひだりまえ)

これを左前(ひだりまえ)と呼び、不吉な着かたとなります。

例えば、

『あの店は左前になった』

と言えば、倒産したという例えです。

 

■ 左前に着ている人

ついこの間、ネットで外国の古い映画のさわりの部分を見ることがありました。題名は失念したのですが、そこに出てくる空手の日本人たちが揃いも揃って左前の胴着を着てていたのには失笑しました。

また、わたしの若い頃の話ですが、結婚した女性が里帰りをした時も同じように左前でした。女性の洋服が左前となる様に作られているからでしょう。最近は、女性の洋服では左右まちまちですが、和服は少なくとも左前に着ないように。

フランスで行われた昨年のジャパンデーでも、コスプレの若い女性が同じ着方をしていました。日本のインタビュアーもそれをインタビュー外で教えてあげたかどうかは不明ですが。ちゃんと指摘してあげて欲しいですね。