柳田絵美衣 | 臨床検査技師(ゲノム・病理検査)、国際細胞検査士
新型コロナウイルス検査 「PCR検査」と「抗体検査キット」の違いは?
猛威を振るう新型コロナウイルス。感染者数が日々増加するなか、連日耳にする「PCR検査」と「抗体検査(検査キット)」とは、どのような検査なのか?それぞれの特徴や両検査のメリットなどを解説したい。
■PCR法を用いた検査と検査キット(抗体検査)の違いは??
PCR法と抗体検査の違いを表にまとめた。
PCR検査は、現在ウイルスが体内に存在しているのか(感染しているのか)を調べることができる。これに対して抗体検査は、過去に感染したことがあるのかや、現在の感染の状態(感染初期なのか、感染してかた時間が経過しているのか)、ウイルスに抵抗する能力(抗体)をすでに獲得しているのか(人にうつしにくいのか)を調べることができる。
PCR検査では、鼻咽頭に綿棒などを入れ、鼻の奥をぬぐった粘液(鼻咽頭ぬぐい液)や気道の奥から排出される痰を検査する(インフルエンザのように鼻の奥から検体を採取する)。鼻咽頭ぬぐい液の採取は専門家(医療従事者)が行う。検査キット(抗体検査)は、抗体が血液中に存在するため、血液を採取して検査する。
(引用はここまで。 つづきは下記のサイトへ)
■ PCR法の検査キット
4月10日に、京都の島津製作所が発売開始をしたのは遺伝子増幅法すなわち「PCR検査」ですが、冒頭のような綿棒で鼻の奥の「咽頭ぬぐい液」の採取したあと、RNAの精製することなく、簡便な前処理だけで使用できるのが特徴です。まあ、最終的にPCR検査器にかけて検出します。即ち検査器までの工程に特徴があるわけですね。
同3月に4月に発売する旨の予告がありました。同社の検査キットは優秀の様です。検査時間はこれまでの半分の時間でかつ、96検体を同時に結果を出すことが出来るそうです。
なお、同キットは研究用試薬であり、現時点では医薬品医療機器法に基づく体外診断用医薬品としての承認・認証などを受けていない。ただし、国立感染症研究所が定めた評価方法で性能を検証し、保険適用の対象となる「臨床検体を用いた評価結果が取得された2019-nCoV遺伝子検査法について」(2020年4月9日版)に記載されており、評価における陽性一致率、陰性一致率はいずれも100%だった。(一部を抜粋)
(医療機器ニュース )
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/articles/2004/10/news093.html
早くて正確なのが一番です。短気な人は、何時間も待つことが出来ません。関空から、検査結果を待たずに沖縄に返ってしまった女性が、帰宅後感染が確認されたというニュースもありました。
■ 血液採取による検査キット
血液採取による検査キットでは、こんな記事がありました。ドイツのメーカーが血液2滴で新型コロナの検査ができるキットを開発したとのことです。20分で判定が可能で、かつ高精度な判定が可能の様です。
ドイツのPharmact AG社が、血液2滴の採取で済む新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)迅速検査キットを開発しました。臨床現場ですぐに結果が分かる即時検査です。指先から血液を2滴採取し、20分で血液中の免疫グロブリンM(IgM)とIgGを検知して感染を判断できます。信頼性も実証されており、新型コロナウイルスが拡大する欧州での高い需要が見込まれています。
(中略)
SARS-CoV-2迅速検査で行った126人の検査結果は、PCR検査の結果陰性と判定された126人のケースと100%合致し、信頼性は実証済みだ。SARS-CoV-2迅速検査は欧州CEマークを取得、キットには国際的な薬局番号が記されており、薬局でも購入可能だ。
引用ここまで。一部を抜粋して掲載しています。
引用先:https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/news/19/00144/
指先から血を取られる、、、それは、嫌ですね。注射嫌いなので。
その他、国内の医薬品メーカーや医薬・試薬の輸入品販売メーカーなどが数多く発売をしたり、目指したりしており、一体どれが良いのかはわかりませんが、検査者に安全で、早くて高精度の結果をだし、値段も手ごろなものが、一番いいわけです。しかし、それ程すべてが揃ったものが、安価な筈はないでしょうね。
メーカーの努力に期待したものです。