白っぽいビニールクロスの壁紙が貼られた壁と天井の我が家の部屋で、パソコンに向かっていますと、ふと視界の左上端に何か黒っぽいものが動くのが入りました。そこで、視線をその方向に移しますと、どうやら小さな蜘蛛(くも)の様です。大きさは五円玉の穴より少し小さいくらい。
小さいので、真っ黒に見えますが、ほかに色がついていたり、模様があるのかも知れませんが、ちょと見には、真っ黒です。
この蜘蛛を見かけるのは、実はその日が初めてではありません。最近ではすでに、4-5回になるでしょうか。
じっと見ると、わたしの視線を感じてか動かないという事が多いのですが、ふと目をそらすと、スルスルと移動します。これを繰り返すこともあります。まるで子供の遊びである「だるまさんがころんだ」のようです。また、あっという間に見えなくなることも。
『朝の蜘蛛は殺すな、夕の蜘蛛は殺せ』
こんな風に小さい頃から教えられました。朝蜘は、神の使いで縁起が良い、或いは、巣を張るのに良い天気の日に現れるのだから、殺すなとも言います。これは、どんな蜘蛛においても共通している話で、特定の蜘蛛を指している訳ではありません。
わたしなどひねくれた子供でしたから、
『じゃあ、朝に見つけた蜘蛛を殺さず、同じ蜘蛛を夕に見つけたら殺していいの?』と。
父の答は、
『馬鹿!』
でした。
その蜘蛛も思い返せば、壁際に座っているわたしの横に来たことがあります。そして、わたしはしげしげと見ました。向こうも同様だったかもしれません。
真っ黒と思われた蜘蛛ですが、少し部分的には白い縞のようなものが見えます。わたしのそばで、わたしの視線を感じてかじっとしています。わたしが何かの動きを見せれば、即座に逃亡をと身構えているのかも知れません。
そこで、わたしは知らんぷりをして、パソコンに向かい、この黒い蜘蛛の正体をネットで検索してみました。
■ ハエトリ蜘蛛の特徴
「ハエトリ蜘蛛」と呼ぶらしいのです。ハエトリとは「蠅(はえ)」を捕(と)る蜘蛛だからこの呼び名のようです。要するに益虫です。人間にとって役に立ってくれる蜘蛛という事です。そのことが、蜘蛛にとっても利益になるということになります。
従って、
『殺すな!』
です。朝であろうと、夜であろうと。
この蜘蛛は巣を張りません。壁や天井をうろうろして、虫を補足するタイプのようです。
巣を張らないことが、気にいりました。巣を張られると、貧乏くさいというか、みじめたらしく見えます。掃除も不行き届きとも指摘されそうです。
家にいる黒い小さい蜘蛛(くも)ハエトリグモの生態と特徴
ハエトリグモは、蜘蛛(くも)なのに網を張らず、家の中や外壁を歩き回って蝿(ハエ)などの獲物を捕食する徘徊性の蜘蛛です。エサを求めて居間にも寝室にも平気で侵入してくるため、びっくりしたり気持ち悪がる人がたくさんいます。
蜘蛛は一般に嫌われ動物で、ハエトリグモも例外ではありません。見つけられ次第、丸めた雑誌で思い切りたたかれるか、殺虫剤をシューと吹きかけられるか、過酷な運命を背負って生きているようです。
でもハエトリグモをよ~く観察してみると、なかなか愛嬌がある顔をしていて「かわいい」側面も持ち合わせています。
触ろうとするとピョンピョンとジャンプして逃げます。その動きの速い事。なかなかの運動能力の持ち主です。垂直な壁にいる時は、お尻から蜘蛛の糸を出してバンジージャンプのように飛び降ります。縦横無尽に動くさまは、まるで忍者のようです。
ハエトリグモの生態と不思議な能力について、以下に詳しく観てみましょう。
ハエトリグモ(蠅捕蜘蛛)は、クモ目ハエトリグモ科に属するクモ類の総称です。世界中に多くの種類があり、家の中や外壁、庭、公園、草地や森林など多様な環境で生息しています。
このうち、日本の人家の中でよく見かけるのは、アダンソンハエトリ・チャスジハエトリ・ミスジハエトリの3種。家の外壁ではシラヒゲハエトリがよく見られます。
蜘蛛は網を張って獲物を待ち構えていると思われがちですが、実際には、日本国内にいる1200種のクモのうち半分の種は網を張らないで獲物を狩ります。ハエトリグモも網を張らない蜘蛛の一種で、歩き回って獲物を探す徘徊性の蜘蛛です。
ハエトリグモは蝿(ハエ)や蚊(カ)などの小型の昆虫を主食としていることから、家の中の害虫を退治してくれる「益虫」とされて昔から大事にされてきました。いまでも日本の民家では、室内でハエトリグモを見かけても駆除したりせずに、そのまま放置されるケースが多く見受けられます。ハエトリグモと同居している状態ですね。
(引用ここまで。続きは下記のサイトまで)
わたしの部屋ではありますが、ハエトリグモの住家(すみか)でもあるというということで、今後は仲良く同居出来ればと思っています。
姿を見せない時は、一週間以上の時もあり、
『死んじゃったかな?』
と思っていると、ひょっこり現れたり。気分転換にはいいかも知れません。この間見かけた時には、少し大きくなっていたので、もしかすると大物を仕留めて、たらふく、だったのかも知れませんね。