聖護院 京極のブログ

天と地の間に新しいことなし(ことわざ)・・・人間の行動は今も昔も変わってはいない

若い時に出来ることも 年を取ると出来ない

 

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老後の貧困のYou Tubeから       画像出典:You Tube

 

だいぶ前のテレビだったか動画だったか記憶が定まりませんが、ともかく外国の話でした。フランスかドイツかはたまたイギリスか?記憶が間違っていれば許してください。

 

ある若い男性が膝や腿のところが薄くなり露出しているGパンを履いて、おばあちゃんと会った時のことでした。久しぶりの再会に両者は大喜び。次の会話は画面に出た日本語の訳の凡そです。

『おばあちゃん。元気だった』

と青年。

『ああ、ありがとう。元気よ』

『よかった。僕はこの通り元気だよ』

すると、おばあちゃん、眉をしかめて

『おや、あなた、その破けているズボン。それしか買えないの?おカネがないの?』

と聞きます。

『いやあ、おばあちゃん、これが今流行(はやり)のファッションなんだ』

『そうなの』

おばあちゃんはそういいながらも納得できない風でした。貧乏からそのようなGパンを履いているのではないことだけは判り、それ以上は何も言いませんでした。

 

このようなやり取りに、わたしはおもわずニヤリ。

 

 

■ 若いからできる

さて、このようなファッションが若い人にはお勧めしないものの、それなりに似合うということは判ります。それは若さゆえであろうと思います。若ければ、ヨレヨレのカッターシャツでも穴の開いたGパンでも、薄汚れたズック靴でも、それなりに似つかわしいものです。

 

若い人が、高級スーツに身を包み高級車を乗り回すのよりは、ずっと健全に思えるものです。

みすぼらしい姿でも、活き々々としていれば、その方が彼らの今の地位を象徴していて、悪くはありません。金はないが、若さがあり、希望もある!のかも知れませんから。

 

 

■ 年をとったら評価は違う

しかし、同じことを60歳にもなってやればどうでしょう。ファッションの一つだろうと人は評価してくれるでしょうか?若者に負けていない気力の壮年と評価してくれるでしょうか?その可能性はゼロではありませんが、殆ど違う評価になるのではないでしょうか?

 

『あの人、両ひざが破けたGパン履いているけど、おカネがなくて買えないのかな?』

或いは、

『誰も繕(つくろ)ってあげる人はいないのかい』

 

と、正面からは言わずとも陰口を聞かれることでしょう。歳をとったら若い人と同じことは身なりですら出来ないのです。髪の毛を伸ばし放題でも、髭が茫々でも歳をとるということは、惨めったらしく見えてしまうものです。

 

歳をとる前に、そんな生活にならないように若いうちから、着実に糧(かて)を蓄えておく必要があるでしょう。若い時、独身の時にしか給料からの貯蓄は殆ど不可能です。結婚してからの貯蓄は、若い時の薄給での貯蓄よりさらに困難です。

 

長くいきていると、人としても付き合いも生じてきます。若い頃に出来る無作法も許されなくなります。そういう時に、えてして急な入用でまとまったおカネが必要になるものです。

 

そのような時におカネがないと、消費者金融に頼ることにもなりかねません。ここで躓(つまづ)く人は実際に多いのですよ。おカネは、持っていない人のところには、来たがりません。おカネがおカネを呼ぶことはあっても、スッカラカンには見向きもしてくれません。

 

 

■ 年をとったら若い人と同じ様には働けない。

同じ会社で昇格して若い人を指導できる立場にいる人でも、一旦その会社を離れて違う会社で同格の地位に入れる以外、必ず地位は低下して働くことになります。一から再度やり直すとか、全く違う仕事を始める場合、少なくとも自分よりは若い人からの指導を受けることになります。

 

『今まで、会社で何してきた?年を取っててもそんなこともできんの?』

とか

『ここはこんな風にやってもらえませんかねー』

『もっと早くやってよ』

 

など、嫌味たっぷりに言われたりして、自尊心が傷つけられたりするものです。もう働くのが嫌になってしまいます。しかし、年金だけでは食べていけない。そうなると、死ぬまで働くしかありません。厭世(えんせい)的にもなろうかと言うものです。

 

その上、年を取ると持病が出てきます。その時は「働きたくても、働けない」ことがありえます。そうした時、どうしますか?

 

 

 

■ 若い時にこそ蓄財せよ

そこで突然の結論です。「人生は一度切り、若いときも一度だから」と遊ぶことも、もっともですが、【蟻とキリギリス】の例(たと)えありです。

 

したがって、若い時には「あらゆる手段を講じて、蓄財に励め」です。ただし、違法不法はだめですよ。そのためには、タネ銭は必要です。ボロボロの服、ヨレヨレのḠパン、疲れた靴であっても、若い時なら辛抱もでき、眉をしかめれれることも殆どありません。

 

しかし、付き合いもあるでしょうから、2-3度に一度で良いでしょう。その時には必ずちゃんと付き合いましょう。毎回、付き合いに出て、何がそれほど重要なことを話すのでしょう。殆どありきたりの話に過ぎません。その程度でいいのです。

 

『えー、どんな風に貯めるの?』

と ”聞くことなかれ” です。人に聞いたことをやれば、うまく行かなかったら人のせいにしますし、出来ます。自分で、出来ることとアドバイスを受けることの内容も違うかもしれません。自分の考えや資力にあったことで、やれることを考えたらいいのです。やれることは何でもです。

 

年を取ると、惨めな生活をしたくなかったら、今からどうすべきかを考えて早くはありません。